KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

ISOがドローンの安全確保で国際規格、草案を公表
noellagiftshop | Pixabay
The first worldwide drone standards have been unveiled to keep aircraft safe

ISOがドローンの安全確保で国際規格、草案を公表

航空機の安全確保と、ドローン操縦者の説明責任を明確にするために作成された世界初のドローンの国際規格の草案が、11月22日に公表された。

国際標準化機構(ISO)は、ドローンの操縦に関する規格の草案を公表した。2019年1月までコメントを受け付け、2019年内に世界中で採択される見通しだ。

草案は、おおむね納得のゆく内容となっている。空港や機密に関わる場所から十分な距離を確保するために「飛行禁止区域」の設定を求め、制限区域内での飛行を阻止するために、位置情報に基づいて仮想的な境界線を設定するジオフェンシング・テクノロジーの導入を提案している。さらに、飛行記録、訓練、保守管理の必要性も提唱し、操縦者にはプライバシーとデータ保護の尊重を徹底させるための規則を設定する。重要事項として、人間が介入するフェールセーフ手段がすべてのドローンの飛行に対して必須であるとしており、ドローン操縦者の説明責任を確立する。

業界での一貫した規制に合意が得られれば、より強固な安全性とセキュリティが保証されることから、ドローン技術を積極的に採用する組織が増えるはずだ。11月22日のファイナンシャル・タイムズ紙では、英国の航空安全委員会のトップが、現在では航空機事故の半数がドローン絡みの事故であると述べている。英国の航空管制業務業務を担うイギリス航空管制公社(NATS)のアラステア・ムイーは、ドローンの脅威に対抗する技術がもっと必要であるとしており、より良い基準の確立もそれに役立つはずだ。

今回発表されたのは、ドローンの飛行に関する4部から成る規格のうちの最初の1部である。残りの3部では、技術仕様、製造品質、飛行管理についてさらに深く掘り下げていく。

シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2018.11.26, 6:40
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る