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クリーンエネルギーへの移行、待つだけでは安くならない The world can’t afford to wait for an energy miracle

クリーンエネルギーへの移行、待つだけでは安くならない

新しい研究によると、われわれは今すぐ投資を始めて先進的なテクノロジーを展開する長期計画を立てなければならないという。さもないと、クリーンエネルギーへの移行コストが高騰するとしている。

インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者がネイチャー・ エネルギーに5月21日発表した論文で、英国の電力システムをシミュレーションした一連のシナリオについて分析した。 論文の著者らによると、短期的な戦略と風力、太陽光、原子力など既存のクリーンエネルギー技術だけに頼った場合、二酸化炭素を排出しない電力へ移行するためのコストは2050年までに61%増える見込みだ。

短期的戦略と既存技術に依存したアプローチでは、時間の経過とともに最適ではないエネルギー源の組み合わせが固定されてしまう。その結果、最終的に、はるかに多くの発電能力とインフラへの支援が必要となるというのがその理由だ。

一方、実証されてはいるものの、広く商用化されていない「ユニコーン・テクノロジー」を展開し、システム全体にわたる長期計画と結びつけると、21世紀半ばまでに総コストを13%削減できる可能性がある(「Praying for an Energy Miracle」を参照)。 このテクノロジーには、二酸化炭素を回収・貯留する装置と発電を組み合わせること、需要の変動に合わせて発電所の出力を調整できる小型原子炉、送電網の日々の需要を満たす容量と耐久性を備えた蓄電設備などが含まれる。

こうした技術を手に入れるには、公共部門へのかつてないレベルの投資と支援が必要になるだろう。だが将来、クリーンエネルギーに非常にコストがかかることを望まないのなら、すぐに始めるべきだ。

ジェームス・テンプル [James Temple] 2018.05.22, 11:27
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