ネットユーザーに体を預けたら何が起きる?メディアラボが実験
MITの実験は1人の人の自由意志を群衆に委ね、デジタル化された集団思考がいかに作用するかを調べる。知的行動の特徴の1つである長期的計画の立案は、中央統制がないこの実験ではどのような様相を呈するのかが注目される。 by Erin Winick2018.11.01
今夜あなたは誰かを自由に動かすことができる。他の数百人の人々も同様に、だ。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが、インターネットを通じた集団思考を試す、ハロウィン実験を実施しようとしている。実験では、1人の謎のアクターが自分の自由意志を放棄し、行動を群衆の手にゆだねなければならない。
このテストは「BeeMe」とよばれ、ある非公表の場所でハロウィンの今夜11時(米国東部時間)に始まる。ユーザーたちには、アクターの行動をコントロールして悪役の人工知能(AI)をやっつけるという課題が与えられる。悪党をやっつける方法も、途中で何をするのも、完全にインターネットの言いなりだ。ごく一般的な筋書きも用意されてはいるが、実験の企画者は、ユーザーとアクターとのやり取りを必要以上に制限したくなかったのだ。
ユーザーはMITの研究チームが作成したインターフェイスを通じて、アクターのしていることを見聞きしたり、アクターに次の行動を提案したりできる。実験はMITのキャンパスを東西に移動しながら実施されるもので、研究者はおよそ2時間かかると予測している。ユーザーたちが予想外のことをしなければ、だが。
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