KADOKAWA Technology Review
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Machine Learning for Everyone

全産業が機械学習に依存する

最近の進歩でテック産業以外でも機械学習が役に立つようになったと、Google Brain研究グループのリーダーが話す。 by Tom Simonite2016.03.29

グーグルに富をもたらすコンピューター製集金システムがあるのは、ジェフ・ディーン(研究部門シニアフェロー)のおかげといっていい。ディーンはグーグルのWeb検索と広告システムの初期バーションを構築した。さらにディーンは「マップリデュース」(コンピューター産業の大転換を引き起こしたビッグデータ処理システム)の発明者でもある。

ディーンは現在、グーグルが社内外で使う仕組みを再発明することに力を注いでいる。ディーンはGoogle Brain研究グループを指揮し、ソフトウェアの動作を人間が厳密にプログラムするのではなく、コンピューターがどう作業すべきかを会得する機械学習の手法をさらに進歩させることを目指している。Google Brainのソフトウェアは現在、グーグル内の600を超えるチーム(ほとんどは消費者からは見えない内部システム)に利用されている。しかし昨年、Google Brainが元になったテクノロジーがグーグルのWeb検索やスパムフィルター、翻訳サービの重大なアップグレードをもたらした。

機械学習はグーグル内で長く使われてきた。グーグルでは、検索クエリーと関連性の高いWebページをユーザー表示したり、ユーザーが閲覧しているサイトで関連する広告を選んだり、ユーザーがクリックしそうな広告を表示したり、YouTubeでお勧めの動画を選んだりできるように、エンジニアがソフトウェアを訓練してきた。グーグルは神経を模倣したネットワークを通してデータを伝達するソフトウェアが発語と画像認識において大躍進を遂げた後、機械学習検索への投資を拡大した会社のひとつだ。

ディーンは自分のチームが構築するような種類のテクノロジーがコンピューティングの他の多くの産業にも使われ出すまで、長くはかからないだろうという。ディーンはMIT Technology Reviewのトム・サイモナイトと、カリフォルニア州マウンテンビューにあるグーグル本社で面会した。

より強力で、簡単に使える機械学習は、新しい問題や製品に対するグーグル内部の仕事をどのように変えたのでしょうか?

非常に大きな変化でした。過去5年間、機械学習はコンピューターの利用範囲を劇的に拡大しました。コンピューター・ビジョン(資)や言語理解のような領域では特にそうです。このことは、当然、素晴らしい、新製品や機能を生み出しました。たとえばグーグルフォト(「犬」や「砂浜」といった言葉で画像を検索できる)の検索機能、Gmailのスマートリプライ(自動予測返信)機能などです。しかし機械学習によって、グーグルのエンジニアがどんな種類の問題に挑戦するかを、もっと大きな野望をもって考えられるようにもなりました。たとえていうなら、5年前、コンピューターの視界はあまりよくありませんでした。現在、コンピューターは、状況によってははっきり視界が開けており、私たちが達成可能と信じる一連のことを自然と拡大するのです。

テンサーフロー」の開発を指揮し、グーグルの機械学習研究はもちろん、メールの返信を自動生成するGmailの新機能など、製品の競争力の元になるソフトウェアを無料で配布しています。なぜでしょうか?

機械学習のアイデアを表現する共通の方法を持つことは大変役に立ちます。世界中で機械学習は多大な可能性を秘めています。学術分野や他の会社、政府でなどです。

あらゆる産業が機械学習に大きく依存するのでしょうか?

膨大な量のデータを集めていても、まだ機械学習の影響を考えていない産業がたくさんありますが、最終的には機械学習を使うようになるでしょう。自動運転自動車が到来すれば、運輸産業は機械学習を多く使うことになります。保健医療は多くの機械学習の問題を抱えています。外来患者の予後、もしくはX線写真を撮って何かを予知したい時などです。影響を受けるひとつの産業があるというようには思いません。多大な影響があるでしょう。

機械学習はコンピューティング応用の基本的な要素になるのでしょうか?

まったくそのとおりです。コンピューター科学系の学部で、機械学習のクラスの在籍者は劇的に増えています。

機械学習の基本的な知識があり、数件のプロジェクト経験があり、機械学習を使う(使いたい)ことがこうした学生に期待されるようになるでしょう。

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トム サイモナイト [Tom Simonite]米国版 サンフランシスコ支局長
MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
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