KADOKAWA Technology Review
×
DARPA’s Autonomous Ship Is Patrolling the Seas with a Parasailing Radar

DARPAが想定する未来の海上戦で、ロボット船はどう戦うのか?

「自律型移動手段」といっても自動車ではない。軍が使いたがっているのは、自律航行するロボット船だ。 by Jamie Condliffe2016.10.26

カリフォルニア州は、グーグルのロボット自動車の本拠地といえるかもしれない。しかし、その海辺では、米国国防先端研究計画局(DARPA)が、あるテクノロジーを試験している。地上をだらだら走るグーグルの小さな自律運転マシュマロが、負けを認めて小さくならざるを得ないほど、強力なテクノロジーだ。

DARPAのロボット船(事情に詳しい人には、「継続監視無人艦」という方が通じるだろうか)は、海上で新しいレーダーシステムを実地試験中だ。しかし、レーダーシステムは船に積まれているわけではない。船上ではなく、船の後ろのパラセールにぶら下げられ、約150~450mの高度を飛行するのだ。

試験の結果、レーダーの高度を上げることで、船のマストに固定されているレーダーに比べ、探知範囲が大幅に広がり、有効性が高まることがわかった。DARPAは、敵のいる可能性がある水域をドローン船がパトロールし、その間、有人船はできるだけ安全な所に留まる、未来の海上戦を想定しているのだ。

しかし、DARPAだけがロボット船を建造している唯一の組織ではない。アムステルダムでは自律タクシー船、カリフォルニア州ではデータ収集用双胴船、ボストンでは自律曳航船の開発が進められており、自動航行船は、世界中で水上に乗り出そうとしている。

(関連記事:DARPA, “Fleets of Robotic Boats Are Getting Ready to Set Sail”)

人気の記事ランキング
  1. How do our bodies remember? 解説:運動をやめても筋肉は覚えている——復帰が速い科学的理由とは
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る