KADOKAWA Technology Review
×
6/15開催 「生成AI革命2」参加受付中【会員優待あり】
AI Body Scanners Could Solve the Worst Thing About Airports

人工知能で空港の保安検査がスムーズになるかもしれない

硬貨はポケットに入れたままでいい。スキャナーが硬貨を認識し、銃でなく小銭だと判定してくれる。 by Jamie Condliffe2016.10.28

空港でもっともイライラするのは保安検査で金属探知機のゲートをくぐることだ。だが、スタートアップ企業のエボルブ・テクノロジーはAI搭載の新型探知機の公開試験を始める予定で、エボルブによれば、新型探知機によって搭乗前にもたついたりポケットの中身を空にしたりする必要がなくなり、気楽に金属探知機を通り抜けられるようになる。

Soon to be a thing of the past?
近い将来、これは過去のものになる?

ガーディアン紙の報道によると、開発中のエボルブ製探知機は、既存の(プライバシー問題が議論される)全身スキャナーと同じく、ミリ波で画像を生成する。だが、円筒状のブース内に人をじっと立たせるのではなく、エボルブの探知機は歩いている人の頭から足元にかけて照射したレーダー波を解析し、反射した波がどのように散らばるかを測定する。

データは、空港警備員が通常確認している画像を生成するためには使われない。代わりに、データは機械学習アルゴリズム(爆発物や凶器のような危険物の見分け方を学習している)によって処理される。もしシステムが「何か」を見分けたと判定すると、より入念な検査をするように空港警備員に警告を与える。

Evolv says its scanner will make airport security a breeze.
新型探知機で空港のセキュリティは簡潔になるとエボルブはいう

エボルブの主張によれば、保存されたデータは、後から個人を特定できない。エボルブはまた、この探知機は扱いの難しいヌード画像問題に対応する必要は決してないという。ヌード問題はこれまで全身スキャナーに反対する人が怒りを感じる原因だ。

探知機はデンバー国際空港をはじめ、ワシントンD.C.やロサンゼルスの鉄道駅でも試験的に設置される。エボルブは、新型探知機は1時間に800人をスキャンできるとしているが、設置場所によっては試験で想定外の事態が発生する可能性が高く、初めのうち、人工知能は混乱するだろう。人の列はそうすぐには解消されないかもしれない。

(関連記事:The Guardian, “How to Find Hidden Explosives at Airports,” “Next Big Test for AI: Making Sense of the World”)

人気の記事ランキング
  1. Meet the people who use Notion to plan their whole lives 生産性マニアが「Notion」で生活の95%を回す理由
  2. MITTR Emerging Technology Nite #23 Plus MITTR主催「生成AI革命2」開催(オンライン&東京)のご案内
  3. A chatbot that asks questions could help you spot when it makes no sense チャットGPT、「質問付き」回答で騙される人が減ることが判明
タグ
クレジット Photograph by Robyn Beck | Getty; Rendering courtesy of Evolv Technology
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
生成AI革命

自然な文章を生成するチャットGPT(ChatGPT)/GPT-4などの大規模言語モデル、テキストから画像を生成できるDALL·E 、Stable Diffusion、Midjourneyなどの拡散モデルの登場は、私たちの生活やビジネスを大きく変えようとしている。
人工知能(AI)の新時代を牽引する「生成AI(ジェネレーティブAI)」革命の最前線を追う。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Meet the people who use Notion to plan their whole lives 生産性マニアが「Notion」で生活の95%を回す理由
  2. MITTR Emerging Technology Nite #23 Plus MITTR主催「生成AI革命2」開催(オンライン&東京)のご案内
  3. A chatbot that asks questions could help you spot when it makes no sense チャットGPT、「質問付き」回答で騙される人が減ることが判明
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.10
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.10世界を変えるU35イノベーター2022年版

人工知能(AI)/ロボット工学、インターネット、通信、コンピューター/電子機器、輸送、持続可能性、生物工学など幅広いテクノロジー領域で活躍する2022年の日本を代表する若手イノベーター14人、米国・中国・欧州などで活躍するグローバルのイノベーター35人を一挙紹介する。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る