KADOKAWA Technology Review
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サトシ・ナカモトの再来か?
真の匿名性実現を謳う
「グリン」に沸く暗号通貨界
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A new Harry Potter–themed cryptocurrency is like a more private version of Bitcoin

サトシ・ナカモトの再来か?
真の匿名性実現を謳う
「グリン」に沸く暗号通貨界

ビットコインや他の暗号通貨の課題とされている取引の完全な秘匿性を実現する可能性のある暗号通貨が登場した。1月15日に公式に稼働開始した「グリン(Grin)」と呼ばれる暗号通貨は、「ミンブルウィンブル」と呼ばれるテクノロジーを基礎にすることで、取引を秘匿にすると同時に、ブロックチェーンのサイズを劇的に縮小する。 by Mike Orcutt2019.02.06

ハリーポッターの物語では、口封じの呪文は決闘相手の魔法使いを困らせる素晴らしい手段だった。相手を黙らせれば、自分にこれ以上呪文をかけられない。「ミンブルウィンブル(MimbleWimble)」の呪文と、それがもたらす沈黙は、新しい種類のブロックチェーン技術を支える謎めいたアイデアであり、暗号通貨愛好家は誰もが急に口にするようになった。ミンブルウィンブルは、興味深い由来に加えて、多くの人がビットコインや類似のブロックチェーンが抱える重大な制約と捉えている問題の解決策となる可能性がある。その問題とは、取引を真に秘匿にするのが困難であるということだ。

2016年7月に、トム・エルヴィス・ジェデュソー(Tom Elvis Jedusor、ハリーポッターで主要な悪役であるヴォルデモート卿のフランス語版の本名)を名乗る何者かが、あるテキストファイルへのリンクをビットコイン研究者がよく訪れるチャットルームに投稿した。ヴォルデモート卿の文書は、ミンブルウィンブルと呼ばれる、ビットコインの取引に関連する識別情報を秘匿できるブロックチェーンの仕組みについて記述したものだった。

「私は自分の創作物を『ミンブルウィンブル』と名付けた。なぜなら、ブロックチェーンが全ユーザーの情報を漏らすの防ぐために使えるからだ」とジェデュソーは述べた。

ジェデュソーの突然でぶっきらぼうな現れ方は、ビットコインの登場と共通点がある。ビットコインの匿名の創作者であるサトシ・ナカモトは似たようなことをした。暗号研究者の電子メール伝言板に「ピアツー・ピア電子決済」をする方法を記述した文書を残した後、少しの間だけその場に滞在してビットコインの初期開発チームと議論し、いなくなってしまったのだ。他のほとんどの暗号通貨ではそんなことはない。ビットコインは表看板となるトップがおらず、その特徴こそが真の非中央集権化に必須であるとビットコインの熱狂的支持者たちはいう。

ミンブルウィンブルを実装するブロックチェーンで設計された最初の通貨の1つにも同じことが言える。暗号通貨「グリン(Grin)」に着手した人も匿名で、イグノタス・ペベレル(ハリーの透明マントの元々の持ち主)の名で通しており、だれも見たことがない。最近ではペベレルは、テキストを音声にするプログラムを使用してグリンの会議の出席者に話しかけている。

1月15日に公式に立ち上がったグリンのマイニング(採掘)は、すで …

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