火星探査車の加速度計を重力計に転用、「工夫」が生んだ新発見
2012年に火星に着陸したキュリオシティ探査機は、元々搭載しているツールをハックして別の用途に使えるようにすることで、いまでも新しい発見を続けている。熱い議論が戦わせられている特殊な地形の形成について、謎を解明する手がかりとなるデータを得ることができた。 by Erin Winick2019.02.07
キュリオシティ(Curiosity)探査車は2012年に火星に着陸した。この探査車はそれ以来、火星の岩石中の有機炭素や大気中のメタンなどを発見したが、それらの測定にはずっと同じツールを使用してきた。遠く離れた別の惑星では、ツールセットを刷新するのも簡単ではないのだ。
このほど、キュオリシティの既存ツールをハックして新たな種類のデータを得られるようにすることで、火星に関する新たな発見があった。2月1日付けの『サイエンス(Science)』に掲載されているように、センサーの1つをうまく作り変えることで、火星のゲール(Gale)クレーターやマウントシャープ(Mount Sharp)の形成に関する新たな手掛かりが得られたのだ。
ゲールクレーターとマウントシャープの形成については熱い論争が繰り広げられてきた。山頂 …
- 人気の記事ランキング
-
- What’s next for AI and math 数学オリンピックで「人間超え」のAIは数学者になれるか?
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
- IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
- Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
- What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法