KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
暗黒物質は見つかるか?超伝導ナノワイヤー検出器を試作
ニュース Insider Online限定
Superconducting nanowires could be used to detect dark matter

暗黒物質は見つかるか?超伝導ナノワイヤー検出器を試作

暗黒物質(ダークマター)と呼ばれる物質が宇宙を遍く満たしていることが、銀河回転の観測結果から示唆されている。イスラエルの研究チームが、超伝導ナノワイヤーを用いてダークマターの粒子の衝突を検出する装置を試作し、その有効性を調べた。 by Emerging Technology from the arXiv2019.04.12

現代の科学界において、最大の探索対象となっているものの一つが、暗黒物質(ダークマター)だ。物理学者たちは、ダークマターは宇宙を遍く満たしており、銀河の回転の仕方がその存在の根拠となっていると考えている。実際、銀河はあまりに速く回転しているので、何か隠れた質量が存在して、銀河を繋ぎ止めておくのに十分な重力を発生していない限り、散り散りになってしまうはずなのだ。

物理学者たちはこの根拠に基づいて、地球上にあるダークマターを何とかして見つけようとしている。これまでに何十ヶ所もの観測所を建設したが、その多くは、地下深くに作られた洞窟の中にある。観測データに入り込むノイズが少ない場所だからだ。ダークマターを発見した研究グループには大きな報奨が与えられる可能性が高く、研究者たちは科学的な名声と富を賭けて探索に挑んでいる。

だが、これまでのところ、物理学者たちははっきり言って何も見つけてはいない。ダークマターがどこかにあるのなら、それはとてもうまく隠れているのだろう。あるいは、物理学者たちは間違った場所を探してきたのかもしれない。可能性の一つは、ダークマターの粒子が現在の実験装置では見えないほど小さいということだ。そのため物理学者たちは、ダークマターの粒子を見つけられるような、より高性能で高感度の検出法を必死に求めている。

ここで登場するのが、イスラエルにあるエルサレム・ヘブライ大学のヨーニット・ホッホベルク助教授のチームだ。ホッホベルク助教授らは、微小な超伝導ワイヤーを使った有望な新型センサーを開発したのである。研究チームの試作品は、このアプローチが持つ可能性をすでに示している。

新しい装置の原理は単純なものだ。特定の金属を臨界温度以下にまで冷やすと、電気抵抗がゼロの超伝導状態になる。しかし、温度が上がって臨界温度を超えた途端、超伝導性は失わ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. How virtual power plants could provide energy for data centers データセンターの電力不足、グーグルは市民から集める仕組み導入へ
  3. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る