宇宙の謎に挑むローマン望遠鏡に加わった、「惑星防衛」という使命
8月末に打ち上げられるNASAのローマン宇宙望遠鏡は、ダークマターやダークエネルギーの謎に迫るために設計された。だが研究者チームは、この望遠鏡がもう一つの役割を果たせることに気づいた。地球に迫る小惑星の捜索だ。ハッブル宇宙望遠鏡の約100倍という広い視野と赤外線観測を生かせば、都市を破壊しうる天体を早期に見つけ出せる。 by Robin George Andrews2026.08.06
- この記事の3つのポイント
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- NASAが8月に打ち上げ予定のローマン宇宙望遠鏡が、惑星防衛への転用可能性を研究者チームが発表する
- 超広視野赤外線カメラにより直径18m級の小惑星まで検出でき、NEOサーベイヤーやJWSTと相互補完する
- 観測資源の競合が激しい中、複数の要注意天体を効率的に絞り込み追跡優先度を判断する役割を担う
8月末、NASAはフロリダ州のケネディ宇宙センターからナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(Nancy Grace Roman Space Telescope)を打ち上げる予定だ。その使命は、銀河を一つにまとめる接着剤のようなダークマター(暗黒物質)から、宇宙の膨張を加速させる捉えどころのないダークエネルギー(暗黒エネルギー)まで、宇宙の仕組みをより深く理解する手助けをすることである。しかし、ローマン宇宙望遠鏡にはもう一つの役割を果たせる可能性がある。地球に壊滅的な被害をもたらしうる小惑星から地球を守ることだ。9月には、複数の研究機関に所属する惑星科学者と天文学者のチームが、この宇宙望遠鏡が小惑星を捜索し、その軌道、大きさ、組成に関する情報を得るうえで、独自の好条件を備えていることを発表する予定である。
NASAの初代主任天文学者の名を冠したローマン宇宙望遠鏡は、超広視野の3億画素赤外線カメラを搭載しており、一度に広大な天空領域を観測できる。その視野は、ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の約100倍に相当する。これにより、数千個の新たな惑星や数万個の爆発する恒星を発見し、10億個を超える銀河を驚異的な精細さで観測できるようになる。
こうした観測をする際、ローマン宇宙望遠鏡は太陽系の中を見通し、その向こう側を観測することになる。これこそが、小惑星の発見において同望遠鏡が独自の好条件を備えている理由である。
惑星防衛への転用
ローマン宇宙望遠鏡は、もともとこの目的のために設計されたものではない。しかし昨夏、トランプ政権によって、またしても大幅な予算削減の危機にさらされた。「NASAの惑星科学者である同僚のリック・コセンティーノが2025年7月、議員や納税者の間でこのミッションの認知度をさらに高める手段として、ローマン宇宙望遠鏡が惑星防衛にどのように貢献できるかを示す必要がある、と私に言いました」と、米メリーランド州ボルティモアにある宇宙望遠鏡科学研究所(Space Telescope Science Institute)の研究者、ブライアン・ホラーは話す。
ホラーと同僚らの提案は、オランダ・ハーグで開かれるユーロプラネット科学会議(Europlanet Science Congress)で発表される予定だ。それによると、ローマン宇宙望遠鏡は極めて広い視野と赤外線観測能力を備えているため、直径約18メートルの小型小惑星まで発見できるという。これは、2013年にロシアのチェリャビンスク上空で爆発し、TNT火薬約50万トン相当のエネルギーを放出して、約1500人を病院に搬送させた小惑星と同程度の大きさである。
宇宙の岩石天体を捉えるには、ローマン宇宙望遠鏡のソフトウェアに若干の調整を加える必要がある。現在の設計では、太陽系内を横切る天体などを除外し、その向こうにある宇宙を可能な限り鮮明に撮影するようになっている。「宇宙線や機器の不具合、小惑星などによって生じる筋状の像は、ソフトウェアによって検出され、除去されます」と、メリーランド州ローレルにあるジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(Johns Hopkins Applied Physics Laboratory)の惑星科学 …
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