KADOKAWA Technology Review
×
「AI研究者はもっと他分野と協働を」 コーネル大研究者が訴える理由
Jeremy Portje
ニュース 無料会員限定
AI researchers must confront “missed opportunities” to achieve social good

「AI研究者はもっと他分野と協働を」 コーネル大研究者が訴える理由

人工知能(AI)が社会のさまざまな分野で使われているにもかかわらず、AIの研究者と実際に使う人の間には大きな隔たりがある。AIが社会に貢献するためには、研究者はAI導入で影響を受けるコミュニティや社会科学の専門家たちともっと協働する必要があるという。 by Bobbie Johnson2019.04.03

コーネル大学のコンピューター科学研究員であるレダイエット・アベベは、テクノロジストたちは心地よい場所から外に出て、人工知能(AI)アルゴリズムに影響を受けたコミュニティや専門家ともっと関わりを持つ必要があると語る。さもないと、テクノロジストらが作るシステムが社会問題を強固なものにし、悪化させることになるという。

アベベ研究員は、アルゴリズムとAI研究を専門とし、それらを社会に生かす方法について研究している。MITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTechデジタル(EmTech Digital)」に登壇したアベベ研究員は、AI研究におけるいくつかの特定の分野で、他分野との協働が驚くほど欠如していることに気づいたと語った。

「アルゴリズムとAIを軸とするソリューションは、融資の決定、住宅供給の決定、刑事裁判制度との関わりなど、私たちの生活のあらゆる場所に組み込まれています」とアベベは話す。「それにもかかわらず、研究者と実践者、コミュニティの間には分断があります」。

アルゴリズム・モデルが出力する意図しない結果は、AIを用いたリスク評価ツールがバイアスのかかった過去のデータで訓練されていたことをはじめとする、物議を醸す問題を数多く引き起こしてきた。一方では、偏ったデータセットで訓練された顔認識システムは、肌の色が明るい男性に比べて、黒人女性を誤認識する可能性が遥かに高いといったことも起こっている。1つ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The three big unanswered questions about Sora 時間も資金も溶かす? AI動画SNS「Sora」3つの疑問
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 今回で3回目となる本特集では、なぜこれらの企業を選出したのか、そして米国の政治的変化をどのように考慮したのかについても詳しく解説している。併せてお読みいただきたい。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る