KADOKAWA Technology Review
×
IU35 2025受賞者が集結するSummitを12/17開催!来場申込受付中。
ついに「曇らない眼鏡」実現か?太陽光を使う新しい「メタ表面」
Pixabay
ニュース Insider Online限定
A new kind of metasurface uses the sun to clear foggy screens

ついに「曇らない眼鏡」実現か?太陽光を使う新しい「メタ表面」

太陽光を用いてガラスの表面に微小な水滴によるくもりが発生しないようにする「メタ表面」をスイス連邦工科大学の研究チームが開発した。従来のくもり止め技術より効果があり、比較的容易に作れるので、ガラスやポリマーなど広範囲の材料に大規模に適用する道が開けているとしている。 by Emerging Technology from the arXiv2019.04.23

眼鏡がくもるのは不快なものだ。しかし車のフロントガラスや宇宙飛行士のヘルメットにくもりがかかると、命にかかわりかねない。車や宇宙服が、くもりを除去したり、くもらないようにしたりするために空調システムを装備しているのはそのためだ。

しかし、空調装置は高価で場所を取るうえに、環境にも良くない。そこでエンジニアや材料科学者は、くもりがかかるのをより効果的に防ぐ方法を熱心に探究している。

スイスのチューリッヒにあるスイス連邦工科大学(ETH)のクリストファー・ウォーカー教授らのグループは、自然界には決して見られないような特性を持つある新素材を開発した。ウォーカー教授らが開発した「メタ表面」は、太陽の放射線を捕捉し、凝縮した水分を蒸発させてしまうか、最初から凝縮しないようにする。このメタ表面が、表面のくもりという厄介な問題の効果的で比較的安価な対策となる。

メタ表面は、自然界には存在しないような表面特性を持つように加工された材料だ。ナノ粒子などのより小さなユニットのパターンを繰り返し使って作られることが多い。

ウォーカー教授らのグループは、シリカシートを金のナノ粒子で覆い、さらに、二酸化チタンの層で密封することでメタ表面 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Quantum physicists have shrunk and “de-censored” DeepSeek R1 量子技術でDeepSeekを55%小型化、「検閲解除」にも成功
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2025 2025年のイノベーターが集結「IU35 Summit」参加者募集
  3. Google’s new Gemini 3 “vibe-codes” responses and comes with its own agent グーグルが「Gemini 3」発表、質問に応じて回答形式もAIが判断
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
気候テック企業10 2025

MITテクノロジーレビューは毎年、気候テック分野で注目すべき企業を選出し、その一覧を発表している。 新たなクリーン・エネルギー源の創出や、食品生産・物流の再構築といった形で経済の主要セクターの脱炭素化に取り組む注目企業10社を紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る