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「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
Michael Knief/AP Content Services for Anthropic
Anthropic’s Code with Claude showed off coding's future—whether you like it or not

「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発

2025年の今頃、Claudeはコーディングができる「それなりのツール」だった。1年後の今、開発者たちはClaudeが書いたコードを読まずにリリースし、アンソロピックは「ClaudeにClaudeをビルドさせたい」と語る。ソフトウェア開発の常識が、たった1年で塗り替わった。 by Will Douglas Heaven2026.05.25

この記事の3つのポイント
  1. AIコーディングツールが急速に普及し、開発者の半数以上がAI生成コードをレビューせずリリースする段階に
  2. アンソロピックはClaudeが自律的にテスト・修正・学習する完全自動化を目指し、自己改善機構を実装
  3. 自動化の恩恵が語られる一方、コード品質の劣化・セキュリティリスク・開発者スキルの空洞化という構造的懸念も
summarized by Claude 3

5月19日、ロンドンで開催されたアンソロピック(Anthropic)のソフトウェア開発者向け2日間イベント「Code with Claude(コード・ウィズ・クロード)」は、熱気に満ちていた。同イベントはマウンテンビューで開催されたグーグル(Google)のI/Oと同日のスタートとなった(アンソロピックのスタッフによれば、これは偶然の一致であり、対抗意識からではないという)。

「先週、Claude(クロード)が全部書いたプルリクエストをリリースした方はいますか?」アンソロピックのエンジニア、ジェレミー・ハドフィールドがメインステージから聴衆に問いかけた。満員の会場にいた人々の約半数が手を挙げた。その多くは膝の上にノートPCを置き、講演を聴きながらコーディングをしたりプロンプトを入力したりしていた。

プルリクエストとは、既存のソフトウェアに対する修正や更新をレビュー用に提出するものだ。これはソフトウェア開発の基本であり、プロの開発者が日々書き続けてきたコードの塊である。少なくとも、これまでは。

「では、Claudeが全部書いたプルリクエストをリリースした際に、コードをまったく読まなかった方は?」とハドフィールドは続けて尋ねた。会場には苦笑いが広がった。それでも、ほとんどの手は下がらなかった。

アンソロピックのClaude Code(クロード・コード)やオープンAI(OpenAI)のCodex(コーデックス)といった大規模言語モデル(LLM)搭載ツールがソフトウェア開発のあり方を一変させたことは、今さら驚くべきことではない。大手テック企業はいまや、開発者が手書きするコードがいかに少なくなったかを競うように誇示している(「アンソロピックのソフトウェアのほとんどは今やClaudeが書いています。Claude CodeのコードのほとんどもClaudeが書いています」とハドフィールドは語った)。オープンAI、グーグル、マイクロソフトも同様の主張をしており、多くの企業がそれに続こうとしている。

それでも、この新たなパラダイムがすでにいかに当たり前のものとなり、いかに急速に定着したかは驚くべきことだ。アンソロピックがサンフランシスコと東京でも開催している開発者向けイベントは、2026年で2年目を迎える。2025年の今頃、同社はClaude 4をリリースしたばかりだった。当時もコーディングはできたが、それなりの水準にとどまっていた。しかし、アンソロピックが相次いでリリースした最新アップデート、特に2026年2月リリースのClaude 4.6、そして4月リリースの4.7により、Claude Codeはますます多くの開発者が安心して作業を任せられるツールへと進化した。

An 8-bit character with a chef's hat in a pixel kitchen flips food in a fry pan over a pixel stove
Claudeに任せよう。
ANTHROPIC (GRAPHIC) / WILL DOUGLAS HEAVEN (PHOTO)

アンソロピックの目標は、自動化を可能な限り推し進めることだと同社は述べている。人工知能(AI)にコードを生成させ、人間がそれを修正・整理するのではなく、Claudeが自ら作業を確認・修正できるようにしたいという。「デフォルトは『Claudeにプロンプトを入力する』ではなく、いまや『Claudeに自分自身へプロンプトを入力させる』です」。Claude Codeを率いるボリス・チェルニーは基調講演の冒頭で語った。

うまくいけば、何かが動作しないときのエラーメッセージを人間の開発者が目にすることすらなくなるはずだ。すべてはClaudeが処理し、すべてが正常に動作するまでテストと調整を繰り返す。アンソロピックのエンジニア、ラヴィ・トリヴェディは別のセッションでこう述べた。「重要な原則は、Claudeの邪魔をしないことです。私たちはよく『任せてしまおう』と言っています」。

トリヴェディは、2週間前に発表されたClaude Codeの新機能「dreaming(ドリーミング)」を紹介した。Claude Codeのエージェントは自分自身にメモを書き、特定のタスクに関する有用な情報を記録・保存する。後から別のコーディングエージェントが同じコードの作業を開始する際、そのメモを活用してすばやく状況を把握し、以前のエージェントが犯した可能性のあるエラーから学べる。

dreamingとは、Claude Codeがこれらのメモをすべて読み込み、含まれる情報を統合して、異なるタスク間のパターンや共通の問題点を見つけ出すシステムだ。理論上、dreamingによってClaude Codeは特定のコードベースについて学習し、そのコードへの対応をどんどん向上させることができる。

成功事例

Code with Claudeは開発者を対象としたイベントだ。アンソロピックによる製品紹介やハンズオンワークショップに加え、Claude Codeを中心にソフトウェア開発チームを再編したさまざまな企業によるノウハウも紹介された。参加企業にはスポティファイ(Spotify)やデリバリーヒーロー(Delivery Hero)のほか、バイブコーディングでアプリを開発する人々を支援するアプリをバイブコーディングで作るスタートアップ3社、ラバブル(Lovable)、ベース44(Base44)、マンデー・ドットコム(Monday.com)も名を連ねた。

Code with Claudeの会場に不安の影はなかった。私が話した人々は全員、この流れに乗ろうとしていた。

しかし会場の外では、多くのコーダーがこの明るい新しい未来に疑問を抱き始めているという報告が相次いでいる。Reddit(レディット)Hacker News(ハッカーニュース)といったネット掲示板では、生産性向上を追い求めるマネージャーによってAIコーディングツールの導入が推し進められているが、実際には開発者がレビューしなければならないコードが増えるばかりで、ソフトウェア開発がかえって難しくなるという不満の声が上がっている。pronというユーザーは先週、「生成されたコードで問題ないと言っているのは、それを読んでいない人だけだ」とHacker Newsに投稿した。

AIにタスクを任せるようになってから、コーディング能力が低下したと訴える声もある。さらに研究者たちは、AIツールが安全でないコードを生成し、ソフトウェアが攻撃に対してより脆弱になる恐れがあると警告している。

私はClaudeのエンジニアリング責任者ケイトリン・レッセとClaudeのプロダクト責任者アンジェラ・ジャンに話を聞いた。そして、適切な人間の監視なしに大量のコードが突然、生成・リリースされることで、深刻なセキュリティ上の問題やメンテナンス上の問題が先送りされているのではないかという懸念についてどう考えるかを尋ねた。

「従来のソフトウェア開発のベストプラクティスはすべて今も有効です。ずっとそうでした」とレッセは述べた。「今この瞬間、それを見失ってしまっている人やチームが多いのだと思います」。

しかし、アンソロピックをはじめとする各社がさらなる自動化を推進し、Claude Codeのようなツールが改善されるにつれ、監視を含むますます多くのタスクを任せたいという誘惑も高まっている。レッセは、アンソロピックの技術系マネージャーの中には、チームが生み出す大量のコードに追いつくことに疲弊している人もいると言う。「物事がはるかに速く進むようになった分、時間の管理が課題になっています」。

「現時点では、Claudeはコードを書く能力においておそらく中堅エンジニア程度の水準に達していると思います」とレッセは付け加えた。システムの設計や難しい問題のトラブルシューティングには依然として熟練エンジニアが必要だと述べつつも、「しかし、時間をかけてClaudeにあらゆる種類のエンジニアリングをどんどん上手くやらせたいと考えています」。

ジャンも同意した。「私たちが目指す究極のゴールは、Claudeが基本的に自分自身をビルドできるようになることだと思います」。

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ウィル・ダグラス・ヘブン [Will Douglas Heaven]米国版 AI担当上級編集者
AI担当上級編集者として、新研究や新トレンド、その背後にいる人々を取材。前職では、テクノロジーと政治に関するBBCのWebサイト「フューチャー・ナウ(Future Now)」の創刊編集長、ニュー・サイエンティスト(New Scientist)誌のテクノロジー統括編集長を務めた。インペリアル・カレッジ・ロンドンでコンピューターサイエンスの博士号を取得しており、ロボット制御についての知識を持つ。
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