ついに「曇らない眼鏡」実現か?太陽光を使う新しい「メタ表面」
太陽光を用いてガラスの表面に微小な水滴によるくもりが発生しないようにする「メタ表面」をスイス連邦工科大学の研究チームが開発した。従来のくもり止め技術より効果があり、比較的容易に作れるので、ガラスやポリマーなど広範囲の材料に大規模に適用する道が開けているとしている。 by Emerging Technology from the arXiv2019.04.23
眼鏡がくもるのは不快なものだ。しかし車のフロントガラスや宇宙飛行士のヘルメットにくもりがかかると、命にかかわりかねない。車や宇宙服が、くもりを除去したり、くもらないようにしたりするために空調システムを装備しているのはそのためだ。
しかし、空調装置は高価で場所を取るうえに、環境にも良くない。そこでエンジニアや材料科学者は、くもりがかかるのをより効果的に防ぐ方法を熱心に探究している。
スイスのチューリッヒにあるスイス連邦工科大学(ETH)のクリストファー・ウォーカー教授らのグループは、自然界には決して見られないような特性を持つある新素材を開発した。ウォーカー教授らが開発した「メタ表面」は、太陽の放射線を捕捉し、凝縮した水分を蒸発させてしまうか、最初から凝縮しないようにする。このメタ表面が、表面のくもりという厄介な問題の効果的で比較的安価な対策となる。
メタ表面は、自然界には存在しないような表面特性を持つように加工された材料だ。ナノ粒子などのより小さなユニットのパターンを繰り返し使って作られることが多い。
ウォーカー教授らのグループは、シリカシートを金のナノ粒子で覆い、さらに、二酸化チタンの層で密封することでメタ表面 …
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