KADOKAWA Technology Review
×
発表!MITテクノロジーレビューが選ぶ
2022年のイノベーター14人。
【12/15 Summit開催】
脳信号を音声に変換、UCSF研究チームが新アプローチ
Nick Little
知性を宿す機械 無料会員限定
Scientists have found a way to decode brain signals into speech

脳信号を音声に変換、UCSF研究チームが新アプローチ

人間が発話するときの脳の活動を記録し、記録した信号から合成音声を作り出す埋め込み型の機器をカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者チームが開発した。実験ではこれまでにない正確さで発話の内容を確認できたという。 by Antonio Regalado2019.05.08

人間が話をしようとするとき、脳は唇、舌、顎、喉頭に信号を送り、これらの部位が連動することで意図した音を発することができる。その仕組みについて考える必要はない。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の脳神経外科医、エドワード・チャン教授らは、これらの脳信号を利用して完全なフレーズを発することができるデバイスを作成したという。たとえば、「チャーリーの汚れたお皿は洗わないで」や「重要な機器が適切なメンテナンスを必要としています」といった具合だ。

この研究によって、重度のまひ状態にある人々の会話を補助するシステムの実現へ向けて一歩前進した。いつの日か、誰でも脳からメッセージを直接送れるようなガジェットが生まれるかもしれない。

チャン教授率いる研究チームは、すでに脳手術を受けていた5人のてんかん患者に100個のフレーズが書かれたリストから文章を読み上げてもらい、脳の活動の様子を記録した。

その後、研究チームは、記録した信号を人間の発声機構を模したコンピューターモデルに入力して、合成音声を作り出した。生成された音声の半分は理解できるものだった。

https://s3.amazonaws.com/files.technologyreview.com/p/pub/files/ucsf-speech-synth-demo-2-sentences-orig-synth_0.mp3

 

チャン教授らの取り組みは、抽象的な思考ではなく、発声器官を動かすために神経が興奮している状態を記録するというものだ。同教授らはこれまでにも、脳の他の部位から伝わるこうした運動信号を使って、ロボットの腕を動かしたことがある。

「動きを制御する脳の部位を調べています。直接の発話よりむしろ、動作を解読しようとしているのです」(チャン …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8脱炭素イノベーション

2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、世界各国で研究開発が加速する脱炭素技術、社会実装が進む気候変動の緩和・適応策などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の最新動向を丸ごと1冊取り上げる。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る