KADOKAWA Technology Review
×
ナスダックが不正監視に深層学習、アナリストの負担を軽減
Luis Villa del Campo/Wikimedia Commons
人工知能(AI) 無料会員限定
AI will now watch for fraudsters on the world’s largest stock exchange

ナスダックが不正監視に深層学習、アナリストの負担を軽減

ナスダック株式市場に、取引の不正行為を検知するための深層学習システムが導入された。統計やルールを利用して市場の不正行為の兆候を警告する既存のソフトウェア監視システムに追加する形で取引を監視し、人間のアナリストと協働することで、不正行為の検知能力を漸次高めていく。 by Karen Hao2019.11.15

ナスダック(NASDAQ)株式市場は、詐欺師にとって魅力的な標的だ。取引量が世界最大の証券取引所であるNASDAQは、不正にシステムを打ち破ろうとする試みに対し、常に監視を怠らないようにせねばならない。不正行為としては、終値を高騰させるための株価の操作や、大量に取引されている印象を与えるために急速に株の売買を繰り返すチャーニング、人為的に高需要を作り出すために、実際に実行する意図を持たずに大規模な売買注文をするスプーフィングなどが挙げられる。

株式市場と同名の親会社であるナスダック(Nasdaq)は11月7日、取引の監視に人工知能(AI)を導入したことを発表した。新たに導入された深層学習システムは、人間のアナリストと協働して1日あたり約1750万件の取引を監視している。

今回導入された深層学習システムは、統計やルールを利用して市場の不正行為の兆候を警告する既存のソフトウェア監視システムを増強するものだ。ナスダック北米部門で市場監視部長を務めるマルティナ・レイジョによると、たとえば米国の株式市場では、従来のシステムは1日あたり約1000件の警告を発し、それを人間のアナリストが調査してきたという。その中で詐欺と断定され、重い罰金を …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
生成AI革命

自然な文章を生成するチャットGPT(ChatGPT)/GPT-4などの大規模言語モデル、テキストから画像を生成できるDALL·E 、Stable Diffusion、Midjourneyなどの拡散モデルの登場は、私たちの生活やビジネスを大きく変えようとしている。
人工知能(AI)の新時代を牽引する「生成AI(ジェネレーティブAI)」革命の最前線を追う。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る