KADOKAWA Technology Review
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ニッチで稼ぐ新興国
「小規模宇宙機関」の時代が
やってきた
NASA
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There has never been a better time to start a small space agency

ニッチで稼ぐ新興国
「小規模宇宙機関」の時代が
やってきた

かつて宇宙開発は、大国が国の威信をかけて取り組む、国家規模のプロジェクトだった。しかし、昨今の人工衛星の小型化・高性能化や打ち上げコストの低下により、これまで宇宙開発とは縁のなかった小国を含む多くの国々が、ビジネス・チャンスを求めて独自の宇宙機関を立ち上げ、成長する宇宙経済に食い込もうとしている。 by Neel V. Patel2019.12.06

サンタ・マリアは、ポルトガルの西約1400kmの大西洋の中央部に位置するアゾレス諸島の最南端の島である。 穏やかな気候、白い砂浜、人里離れたロケーションは、観光客にとってまさに平和な楽園だ。それがもうすぐ変わろうとしている。

ポルトガルは今後、数十年かけて、海に囲まれたこの小さな土地を、世界で最も繁忙な宇宙港の1つに変えることを計画している。小さな空港から飛行機が離陸するのに匹敵する頻度で、人工衛星と宇宙船のロケットを打ち上げようとしているのだ。そして、地球観測、通信、宇宙旅行、さらには小惑星資源採掘に関わる国際的な顧客を呼び込みたいと考えている。

こうして宇宙経済に進出しようとしているのはポルトガルだけではない。過去10年間で13か国以上が新しい宇宙機関を設立した。それらの大部分は過去5年間に設立されたものだ。 米国航空宇宙局(NASA)など大手宇宙機関が見落としている収益性の高いニッチを埋めようと、これらの機関は思いもかけない場所から強力な展開に挑戦し、拡大する宇宙経済の中で取り分に飢えている商業セクターとの提携を計っている。小規模宇宙機関の時代の到来だ。

これまで国が独自の宇宙機関を持つ主な動機は常に、権力と名声を誇示したいという願望だった。米国が13年間で2880億ドルを費やした唯一の目的は、ソビエト連邦より早く月面に人間を送り込むことだった。この競争に勝ち、世界最高の宇宙機関としての地位を固めた後、NASAは将来の月ミッションの計画を突然放棄し、宇宙プログラムの焦点を他の目標に合わせるようになった。

もちろん、名声を保つのはこのご時世でも決して悪いことではない。しかし、昨今の新しい国家宇宙プログラムの台頭は、すべてプラグマティズム、つまりは「お金」が原動力となっている。宇宙市場はすでに推定3250億ドルの規模に達しており、今後20年で1.5兆ドルを超える可能性があると全米商工会議所は予測する。スペースX(SpaceX)のスターリンク(Starlink)のような大胆な通信インフラ、宇宙旅行、宇宙採掘、地球観測データ、その他あらゆるサービスはどれも極めて「儲かる」見込みがあるのだ。1兆ドルに手が届くかもしれない市場拡大の動きに、世界のどの国も取り残されまいとしている。

「宇宙はもはや、単に国家が技術的な能力と主権を誇示するためだけのものとは見なされていません」と、ポルトガルの新しい宇宙機関、ポルトガル・スペース(Portugal Space)のキアラ・マンフレッティ代表は言う。4月に発足したポルトガル・スペースは、アゾレス諸島の新しい宇宙港の設立を監督している。「宇宙は社会に付加価値をもたらし、ビジネスに競争優位性をもたらすものと見なされています」。

他の機関の代表たちも、この意見に同意する。 新たに生まれたこれらの動きに、安価で効率の良い宇宙船、ロケット、ソフトウェアの設計が拍車をかけている。これらすべてが意味するのは、今や発展途上国でも、巨額の請求書に悩まされることなく、成長する宇宙経済の恩恵を受けられるということだ。

どのよう …

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