ボイジャー、パイオニアはいつ、どの恒星に接近するか?最新予測
1970年代に打ち上げられた探査機「パイオニア」と「ボイジャー」の合計4機はすでに太陽系を離脱し、恒星間空間に向かって長い旅路についている。これらの探査機が今後いつ、太陽以外の恒星に接近遭遇するのか、天の川銀河の最新3Dマップを用いて予測した研究結果が発表された。 by Emerging Technology from the arXiv2020.01.09
1970年代に米国航空宇宙局(NASA)は、かつてないほど重要な宇宙探査機を4機、打ち上げた。最初に打ち上げられた「パイオニア(Pioneer)10号」が木星への旅を始めた当時、天文学者たちは同探査機が小惑星帯を無傷で越えられるかどうかさえ分からなかった。パイオニア10号が小惑星を無事に通過した後初めて、パイオニア11号が打ち上げられた。
パイオニア10号と11号は史上初の木星接近画像を送信し、パイオニア11号は引き続き土星に向かった。その後打ち上げられた「ボイジャー(Voyager)1号」と同2号は、さらに詳細な測定を実施し、太陽系の探査範囲を天王星と海王星にまで拡大した。
これら4機の探査機はすでに太陽系を離脱し、秒速約10キロメートルで星間空間に向かっている。4機は10万年で約1パーセク(3.26光年)の距離を飛行することになるが、それによって重要な疑問が提起される。これらの探査機が次に接近遭遇するのはどの恒星だろうか。
この疑問は、思ったよりも答えるのが難しい。恒星はじっとしているわけではなく、星間空間を高速で移動している。各恒星の正確な移動速度が分からないのでは、星間空間を飛行する探査機が将来、どの恒星に遭遇するかを明らかにすることはできない。
この問題に取り組んだのが、ドイツのマックス・プランク天文学研究所のコリン・ベイラー=ジョーンズと米カリフォルニア州パサデナにあるジェット推進研究所のダビデ・ファルノキアである。彼らは、天の川銀河の恒星の位置と移動速度を示す最新の3Dマップを用いて、上記の予測計算をした。
その結果、彼らは初めて、探査機が将来どの恒星に遭遇するかを割り出すことが …
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