KADOKAWA Technology Review
×
来れ!世界を変える若きイノベーター。IU35 2025 候補者募集中。
ニュース Insider Online限定
Mathematicians Create Entirely New Dive with 5 Twists and 1.5 Somersaults

数学者、飛込競技の新技「5回ひねり1回転半宙返り」を提案

数学者が考案した新しい飛込技は、近い将来実現するかもしれない。 by Emerging Technology from the arXiv2017.01.06

オリンピックの飛込競技は、運動能力と俊敏性、力と美しさ、正確さを組み合わせたスポーツだ。踏み切りや空中姿勢、入水で評価され、技の難易度による加点が最終スコアになる。したがって完璧な簡単な飛び込みより、少し失敗した高難度の飛び込みの方が点数は高くなりやすい。

そのため、飛込競技は急速に複雑化している。2008年の北京オリンピックでは、前逆飛込の2回転半宙返りと2回転半ひねりを組み合わせた最も複雑な技の難易率は3.8だった。現在の最大難易度は前逆宙返り4回転半のえび型で、難易率は4.8。国際水泳連盟(FINA)はさらに高難度の技が期待されている。

https://www.youtube.com/watch?v=wz4CnT0Un9Y

競技者も技を向上させる方法を常に探っている。ここで「10mの飛込では、一体何回の宙返りとひねりを組み合わせられるのか」という興味深い疑問が沸いてくる。

1月5日、シドニー大学(オーストラリア)のウィリアム・トン研究員とホルガー・デュリン教授の研究により、答えらしきものがわかってきた。2人は、人体が空中で何回ひねったり回転したりできるかを計算する数学モデルを確立したのだ。このモデルを元に、純粋な宙返りの動きを純粋なひねりの動きに転換し、もう一度宙返りに戻すことで、まったく新しい身体動作を提示している。

提示された一連の動作は、これまでにない速さで身体をひねることができる。2人の研究者によれば、この新技により、これまでになかった難易度の飛込が実現できる。

この手法のデモンストレーションとして、1回転半の宙返りに5回のひねりを加えた、これまでにない技が考案された。技の名前は「513XDダイブ」(国際水泳連盟の分類コード)で、近い …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s pretty easy to get DeepSeek to talk dirty 「お堅い」Claude、性的会話に応じやすいAIモデルは?
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. Google’s new AI will help researchers understand how our genes work グーグルが「アルファゲノム」、遺伝子変異の影響を包括的に予測
  4. Calorie restriction can help animals live longer. What about humans? 「若返り薬」より効果? カロリー制限のメリット・デメリット
  5. When AIs bargain, a less advanced agent could cost you 大規模モデルはやっぱり強かった——AIエージェント、交渉結果に差
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る