KADOKAWA Technology Review
×
惑星誕生の過程、ESOの超大型望遠鏡が初観測か
ESO/Boccaletti et al.
This could be the first direct evidence of a planet being born

惑星誕生の過程、ESOの超大型望遠鏡が初観測か

ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡を用いた観測で、ぎょしゃ座AB星周囲のガスと塵が渦巻いている巨大な円盤内部に、複数の渦状腕がつながっていることを示す「ねじれ」が確認された。天文学者らは星系に惑星が形成されつつあるプロセスを、史上初めて捉えたものだと考えている。 by Neel V. Patel2020.05.21

惑星が誕生する過程の観測に天文学者らが史上初めて成功した可能性がある。最近発表された上掲の画像は太陽系から約520光年の距離にある「ぎょしゃ座AB星(AB Aurigae)」という非常に若い星系のものだ。画像を見ると、ガスと塵が渦巻いている巨大な円盤が確認できる。円盤には新たな惑星が形成されつつある場所を示す可能性のある顕著なねじれが見られる。この研究結果は5月20日、学術誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス(Astronomy & Astrophysics)』に掲載された。

ぎょしゃ座AB星は数年前に、チリのアタカマ(Atacama )大型ミリ波サブミリ波干渉計により観測された。その観測写真では星の近くに2つ、長いガス状の渦巻きが捉えられており、研究者らはさらに、同じくチリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡で観測を続けることにした。この望遠鏡には「スフェア(SPHERE)」と呼ばれる、微小な粒塵に反射する微かな光や、星系の円盤内部からの放射を観察する装置が搭載されている。

スフェアの画像によりガス状渦巻きの存在が確認され、複数の渦状腕がつながっていることを示すねじれも観察された。これらの渦巻きによって、若い星系の中を動き回る他のガスや塵が「やがて惑星となるもの」へと降着し、ゆっくり成長し、やがては完成形へと成熟してゆくのだ。

人気の記事ランキング
  1. Astronomers found a giant intergalactic “wall” of galaxies hiding in plain sight 天文学者らが銀河の「壁」を発見、地球から5億光年
  2. Immunity to covid-19 could disappear in months, a new study suggests 新型コロナの免疫は数カ月で消滅か、ロンドン大新研究
  3. Verily Has Built a Robot to Release 20 Million Sterile Mosquitoes in California グーグルが蚊の大量飼育ロボットを開発、2000万匹を放出
  4. If the coronavirus is really airborne, we might be fighting it the wrong way 新型コロナ、空気感染なら対策見直し必至  「換気」優先に
ニール・V・パテル [Neel V. Patel]米国版 上級記者
現在編集中です。
10 Breakthrough Technologies 2020

気候変動から量子コンピューティング、人工衛星群まで。
MITテクノロジーレビューが選んだ、世界を変える10大テクノロジー。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Astronomers found a giant intergalactic “wall” of galaxies hiding in plain sight 天文学者らが銀河の「壁」を発見、地球から5億光年
  2. Immunity to covid-19 could disappear in months, a new study suggests 新型コロナの免疫は数カ月で消滅か、ロンドン大新研究
  3. Verily Has Built a Robot to Release 20 Million Sterile Mosquitoes in California グーグルが蚊の大量飼育ロボットを開発、2000万匹を放出
  4. If the coronavirus is really airborne, we might be fighting it the wrong way 新型コロナ、空気感染なら対策見直し必至  「換気」優先に
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る