KADOKAWA Technology Review
×
This Robotic Box Is Home to a Drone

ドローンの運用を無人化する秘密基地風の箱

ドローンの普及には、人間の介在なしに離陸、着陸、充電する地上設備が欠かせない。 by Tom Simonite2017.01.11

自動で飛び立ち、操縦するドローンは、医療用品の緊急輸送や農業を効率化に有望だ。しかし完全に自立するには、人の手を借りずに離陸、着陸、整備する必要がある。

スタートアップ企業のエアマダ(Airmada)は、個の問題の答えとしてロボティック地上ステーションを発表した。

エアマダは、自律型警備員として産業施設を見回るドローンを開発中だ。エアマダのロボティック地上ステーションは、必要になるまでドローンを収納しており、出動時に発射台を広げ、ドローンが離陸できるようにする。

エアマダによれば、ドローンと格納箱は、倉庫や作業場といった場所に設置できる。企業は遠隔地からでも簡単に警備ドローンを巡回させたり、警報が作動したら素早く対応したりできるようになる。必要なとき、ドローンが箱から現れ、問題のある地点に飛び、インターネットで映像を警備スタッフに送信する。

任務を終えたドローンは発射台に戻って着陸し、箱に格納される。箱内の機構により、ドローンは電池を交換したり充電したりできる。

エアマダの共同創業者ダン・ダネイCEOは、今年中にドローンと地上ステーションの第1号が納入先で始動することを願っている。エアマダはセキュリティ市場に注目しているが、ダネイCEOは、ドローン自身が離着陸、充電できるシステムは、大規模でも実用的で安価な他の用途(貨物輸送など)を探る必要があると予測する。

「商用ドローンには、さまざまな業界で、多くの可能性がありますが、人間が現場で運用するとなると限界があります。ドローンの主なメリットは、多くの人間の労働力なしに作業ができることです」

人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
トム サイモナイト [Tom Simonite]米国版 サンフランシスコ支局長
MIT Technology Reviewのサンフランシスコ支局長。アルゴリズムやインターネット、人間とコンピューターのインタラクションまで、ポテトチップスを頬ばりながら楽しんでいます。主に取材するのはシリコンバレー発の新しい考え方で、巨大なテック企業でもスタートアップでも大学の研究でも、どこで生まれたかは関係ありません。イギリスの小さな古い町生まれで、ケンブリッジ大学を卒業後、インペリアルカレッジロンドンを経て、ニュー・サイエンティスト誌でテクノロジーニュースの執筆と編集に5年間関わたった後、アメリカの西海岸にたどり着きました。
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る