KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!
ISSで再び原因不明の空気漏れ、乗組員が発生場所を調査中
NASA/JSC
宇宙 無料会員限定
Astronauts on the ISS are hunting for the source of another mystery air leak

ISSで再び原因不明の空気漏れ、乗組員が発生場所を調査中

国際宇宙ステーション(ISS)で発生した空気漏れは、現時点ではさほど大きなトラブルにはなっていない。しかし、宇宙船に衝突して船体に穴やひびを作る可能性のあるデブリ(宇宙ゴミ)は増加する一方であり、何らかの対策を講じる必要がある。 by Neel V. Patel2020.10.06

9月28日深夜、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している2人のロシア人宇宙飛行士と1人の米国人宇宙飛行士は、宇宙管制センターからの連絡で目を覚ました。ISSのロシア側のモジュールに穴が開いていることが原因で、1500億ドルが投じられてきたISSから真空空間に貴重な空気が漏れていると告げられた。漏れている空気量が注意が必要なほど増えたように見えたため(後にキャビン内の気温変化に起因する誤った数値であることが判明)、乗組員らは空気漏れが発生している正確な場所を特定し、修理できるか確認する任務を課せられることになった。それは、実は良いニュースだった。

ISSの空気漏れは1年以上にわたって続いている。空気漏れが最初に見つかったのは、2019年9月に米国航空宇宙局(NASA)とそのパートナーが空気圧が少し下がっていることに気づいた時だったが、決して乗組員の生命を脅かすほどの問題ではなかった。発生場所を特定して問題を改善するための調査を初めて開始したのは、2020年8月に空気漏れが増加していると地上クルーが気づいた後のことだった。

それ以来、米国の宇宙飛行士クリス・キャシディとロシアの宇宙飛行士アナトリー・イワニシンとイワン・ワグナーは数週間の週末を使って、1つのモジュールにこもってISSの全ハッチを閉じ、他のモジュールの気圧の変化を測定してきた。乗組員たちがここ数週間の週末に1つのモジュールに滞在して実施した調査の結果、宇宙管制センターは空気漏れの発生場所が(ISSのロシア側の生命維持装置がある)「ズヴェズダ(Zvezda)」モジュールであると特定し、9月28日夜に調査を実施することになったのだ。

ISSからは常に微量の空気が漏れているが、その問題は定期的な補給ミッションで窒素と酸素のタンクを交換さえすれば解決できる。だが、空気漏れが増加している事実により、予想より早くタンクを交換する必要性が出てくる。またその事実は、空気が漏れている穴が大きくなった可能性があり、すぐに対処しなければその穴がまだ大きくなる可能性があることも意味する。

「このような空気漏れは予想可能なことです」とロシアの有人宇宙計画を担当するエグゼクティブ・ディレクターのセルゲイ・クリカリョフはテレビでコメントした。「現在起こっているのは、標準を上回る量の空気漏れであり、当然のことながら長く続けばISSに空気を追加供給する必要が出てくるでしょう」。

https://twitter.com/Astro_SEAL/status/1309254649577271296?s=20

ズヴェズダ内の空気漏れが発生している正確な場所を突き止めて修理するために、キャシディら乗組員は、小さな穴やひびから外へ出ていく空気の流れから発生する空気の振動を検知する超音波漏れ検知器という携帯機器を持ってモジュール内を浮遊しながら、しばらく時間を過ごさなければならない。宇宙ステーション内の音により、このような振動を検知するのがより困難になることがあるので、実際に振動の発生場所を特定するために乗組員は数回にわたって各エリアを調査しなければならなくなるかもしれない。ある企業はこの戦略を改善するために、人の手を借りることなく空気の漏れに「耳を傾け」て、リアルタイムで漏れを特定できる自動ロボットを配備したいと考えている。漏れの発生場所を見つけ次第、乗組員はエポキシ樹脂を使うキットで修理を実施 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
  2. AI companies are finally being forced to cough up for training data 「訓練データはタダではない」音楽業界が問う生成AIの根本的問題
  3. AI is poised to automate today’s most mundane manual warehouse task パレット積載ロボに「AI後付け」、物流問題の現実解に挑む
  4. Lego bricks are making science more accessible 科学を身近にするレゴブロック、大学の実験装置にも応用
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る