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アルテミス計画を支える
「宇宙服」のイノベーション
NASA
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Current spacesuits won’t cut it on the moon. So NASA made new ones.

アルテミス計画を支える
「宇宙服」のイノベーション

人類を再び月面に送り込むNASAのアルテミス計画へ向けて、次世代宇宙服の開発が進められている。アプロ計画から得られた教訓を反映した宇宙服のイノベーションを紹介しよう。 by Neel V. Patel2021.01.19

宇宙服は衣服というより、体に身につける超小型の宇宙船のようなものだ。与圧され生命維持システムが装備されており、見た目もかなりクールだ。だが、その宇宙服が故障でもしたら、たちまち命の危険にさらされてしまう。

これまでに宇宙服の故障で亡くなった人はいないが、だからといって現在のモデルが完璧だということにもならない。宇宙への打ち上げ時や、地球への再突入時、船外活動(Extravehicular Activity:EVA、俗に言う「宇宙遊泳」)時のいずれであろうと、宇宙飛行士らはミッション時に装着せざるを得ない宇宙服に満足していない。

だが幸いなことに、宇宙での新たな活動が相次いでいることで、これまで以上に宇宙服のデザインと性能に革新が見られ、見た目も良くなっている。スペースXのクルー・ドラゴン(Crew Dragon)やボーイングのスターライナー(Starliner)といった新たな民間宇宙輸送船の登場で、国際宇宙ステーション(ISS)に向かう米国航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士は、非常に洗練されたおしゃれな宇宙服を着るようになる。スペースシャトルの乗組員が軌道への打ち上げの際に着用していた、ぶかぶかでオレンジ色のアドバンスト・クルー・エスケープ・スーツ(Advaned Crew Escape Suit:ACES、親しみを込めて「パンプキン・スーツ」と呼ばれる)の代わりに、スペースXとボーイングは体にぴったりフィットし、重さも半分になった宇宙服を設計した。5月にクルー・ドラゴンに乗ってISSに向かったダグラス・ハーリー宇宙飛行士とロバート・ベンケン宇宙飛行士は、非常に快適で簡単に着脱できたと述べた。打ち上げ時と再突入時に着用する宇宙服は、宇宙飛行士を火から守るよう設計されており、酸素と冷気を運ぶシートの救命索に接続するようになっている。キャビンが何らかの理由で減圧してしまった場合に備えてのことだ。

しかし、最も興味深いのは、月に向かうNASAの次世代宇宙服となる「探査船外活動ユニット(xEMU:eXploration Extravehicluar Mobility Unit)」だろう。表向きは半世紀前にニール・アームストロングやバズ・オルドリンといった宇宙飛行士らが月面に足を踏み入れた際に着用した宇宙服の後継品になるが、スペースシャトルやISSでの有人飛行で使用された船外活動ユニット(EMU:Extravehicluar Mobility Unit)や、アポロ計画から得られた厳しい教訓も活かされている。アルテミス(Artemis)計画の将来的な目標は、人々が月に居住し、働けるようにすることだ。新たな宇宙服による活動は、月での生活が安全で快適なものであることを証明する重要な意味を持つ。

xEMUに取り組むNASAの宇宙服エンジニアであるリチャード・ロウズは、「私たちは、再び月に人を送ることにとても興奮しています」と述べる。「私たちの主な目標は、乗組員が私たちのことを意識すらしないことです。宇宙飛行士は宇宙服を着て科学実験や探査といった仕事をしますが、どれほど動きやすく、効率よく作業できるかについては考慮されません。簡単にはいきませんが、私たちは可能な限り宇宙服の存在感を消せるよう努力しています」。

xEMUに期待できる最大のイノベーションをいくつか紹介しよう。

可動性の向上

ロウズは、「宇宙服の設計では、最小限の労力で自由かつ効率的に動けるようにしたいです。できるだけ、袖付きのシャツをまとっただけのような着心地が実現できるように」と述べる。目標は、宇宙服の厚みを抑えることだ。厚みが大きいほど、宇宙飛行士は関節を曲げるのに苦労し、すぐに疲れてしまう。

関節を楽に曲げさせるには、ベアリングの使用が解決策になる。ベアリングは一点を中心に …

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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.3/Spring 2021
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