KADOKAWA Technology Review
×
NASA探査機が20年ぶりに最接近した「ガニメデ」最新画像
NASA
This is the first new close-up picture of Jupiter's moon Ganymede in more than 20 years

NASA探査機が20年ぶりに最接近した「ガニメデ」最新画像

NASAのジュノー探査機は6月7日、木星最大の衛星であるガニメデの近傍を通過し、これまでで最も近い距離から同衛星を撮影した高解像度の画像を送ってきた。ガニメデに探査機が接近するのは、2000年のガリレオ探査機以来、約20年ぶりだ。 by Neel Patel2021.06.10

米国航空宇宙局(NASA)は、ジュノー(Juno)探査機がフライバイの間に撮影した木星最大の衛星、ガニメデ(Ganymede)の初の写真を公表した。

ジュノーは2021年6月7日に時速6万6800キロメートルで航行しながらガニメデ近傍を通過し、その表面からわずか約1000キロメートルにまで最接近した。2000年のガリレオ(Galileo)探査機以来、ガニメデに接近したどの探査機よりも近い距離だ。ジュノーカム(JunoCam)で撮影した上の画像は、ガニメデの半面のほぼ全体を、1ピクセル当たり1キロメートルの解像度で撮影したものだ。ステラ—・リファレンス・ユニット(Stellar Reference Unit)のカメラが撮影した別の画像も公表されており、こちらはガニメデの影の部分が木星自体に照らされている様子を示している。さらに多くの画像が、ここ数日のうちに公表されることになっている。

科学者がガニメデに特に関心を寄せているのにはいくつかの理由がある。ガニメデは、金属の核を持ち、自身の磁場を持つ太陽系で唯一の衛星なのだ(とはいっても巨大な木星が作る磁場にほとんど埋もれてしまうのだが)。

氷った地面の下には地下海があって、地球の全ての海を合わせたより多量の水を蓄えていると考えられている。大気は極めて薄いため、ガニメデに生命がいる可能性はかなり低いが、生命居住の可能性が完全に否定されたわけではない。

ジュノーは2016年8月に初めて木星に到達し、太陽系最大の惑星を調査しており、現在、快調に動作している。ジュノーのハードウエアは、木星が作る非常に強い放射線帯から保護するために特別に設計された。

ジュノーは今年の1月に、ガニメデのフライバイに始まる延長ミッションを開始した。次の目標は2022年のエウロパ(Europa)衛星で、続いて2024年にイオ(Io)衛星を2回フライバイする。その後、ジュノーは2025年9月に木星へ突入し、ミッションを正式に終了することになっている。

人気の記事ランキング
  1. Meet the people who use Notion to plan their whole lives 生産性マニアが「Notion」で生活の95%を回す理由
  2. A chatbot that asks questions could help you spot when it makes no sense チャットGPT、「質問付き」回答で騙される人が減ることが判明
  3. This abundant material could unlock cheaper batteries for EVs 中国企業が続々発表、ナトリウムイオンはEV電池の主流になるか?
neel.patel [Neel Patel]米国版
現在編集中です。
生成AI革命

自然な文章を生成するチャットGPT(ChatGPT)/GPT-4などの大規模言語モデル、テキストから画像を生成できるDALL·E 、Stable Diffusion、Midjourneyなどの拡散モデルの登場は、私たちの生活やビジネスを大きく変えようとしている。
人工知能(AI)の新時代を牽引する「生成AI(ジェネレーティブAI)」革命の最前線を追う。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Meet the people who use Notion to plan their whole lives 生産性マニアが「Notion」で生活の95%を回す理由
  2. A chatbot that asks questions could help you spot when it makes no sense チャットGPT、「質問付き」回答で騙される人が減ることが判明
  3. This abundant material could unlock cheaper batteries for EVs 中国企業が続々発表、ナトリウムイオンはEV電池の主流になるか?
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.10
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.10世界を変えるU35イノベーター2022年版

人工知能(AI)/ロボット工学、インターネット、通信、コンピューター/電子機器、輸送、持続可能性、生物工学など幅広いテクノロジー領域で活躍する2022年の日本を代表する若手イノベーター14人、米国・中国・欧州などで活躍するグローバルのイノベーター35人を一挙紹介する。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る