KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
フェイスブックの独禁法違反を地裁が棄却、時価総額1兆ドル超え
Olivier Douliery/Abaca/Sipa USA (Sipa via AP Images)
Is Facebook a monopoly? Please define, says judge

フェイスブックの独禁法違反を地裁が棄却、時価総額1兆ドル超え

米連邦地方裁判所は、フェイスブックに対する2件の反トラスト法違反の訴えを棄却した。訴訟は完全に終わっていないが、判決を受けてフェイスブックの時価総額は初めて1兆ドルを超えた。 by Eileen Guo2021.06.30

世界最大のソーシャルネットワーク企業であり、売上高で世界34番目の企業。そんなフェイスブックの市場支配力に異議を唱えるのは簡単ではなかった。6月28日、コロンビア特別区連邦地方裁判所のジェームズ・ボースバーグ判事は、全米各州の司法長官が訴えたフェイスブックに対する訴訟を含む2件の訴訟を棄却した。これを受けて、事態はさらに複雑になった。

ボースバーグ判事は、12月に米国連邦取引委員会(FTC)と48州が合同で訴えた別々の2件の訴訟を却下するように求めたフェイスブック側の主張を認めた。フェイスブックがソーシャルメディア業界を独占している、という事実を立証する「法的根拠が不十分」だとしている。フェイスブックがソーシャルメディア市場の「60%以上」を支配しているというFTCの主張は認められなかった。

「FTCの訴えでは、反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)で適切に定義されている製品市場において、フェイスブックが実際にどの程度の力を有していたか、そして現在も有しているかという問題の核心部分について具体的なことはほとんど何も示されていません」と意見書には記されている。「まるでFTCは、フェイスブックが市場を独占しているはずだという世間一般の通念に、裁判所が素直に同意するのを期待しているかのようです」。

ボースバーグ判事は、フェイスブックの独占を示す証拠は、より伝統的な産業であれば有効だったかもしれないが、「このケースは、通常の市場や直感的な市場ではありません」と指摘した。

ただし、裁判はこれで終わりではない。FTCには訴状修正期間として30日間の猶予が与えられており、訴状を修正した上で再提出が可能だ。当局代表は記者団に対し「意見書を精査し、今後に向けて最善の選択肢を吟味しています」と述べた。

この訴訟に関する今後の行動はすべて、FTCのリナ・カーン新委員長が主導する。カーン委員長は大手テクノロジー企業に対する声高な批判者であり、価格設定に焦点を当てた反トラスト法はアマゾンの権力を抑制するには不十分だと主張したことで注目された人物だ。

FTCが訴訟の次の一手を準備する一方で、ボースバーグ判事は、フェイスブックによるインスタグラムとワッツアップ(WhatsApp)の買収に異議を申し立てた、48州による別の訴訟についても棄却している。提訴があまりにも遅かったためだという。FTCは(市場独占の)原因と考えられる任意の時点での調査できる、とボースバーグ判事は指摘した。

フェイスブックと投資家は、今回の判決を受けて勝利を宣言している。フェイスブックの株価は4.2%上昇し、史上初めて時価総額が1兆ドルを突破した。

人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
アイリーン・グオ [Eileen Guo]米国版 特集・調査担当上級記者
特集・調査担当の上級記者として、テクノロジー産業がどのように私たちの世界を形作っているのか、その過程でしばしば既存の不公正や不平等を定着させているのかをテーマに取材している。以前は、フリーランスの記者およびオーディオ・プロデューサーとして、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ナショナル・ジオグラフィック誌、ワイアードなどで活動していた。
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る