KADOKAWA Technology Review
×
混乱のアフガニスタン、
ネット上で救済活動が活発化
Photo by STR/NurPhoto via AP
コネクティビティ 無料会員限定
Afghans are being evacuated via WhatsApp, Google Forms—by any means possible

混乱のアフガニスタン、
ネット上で救済活動が活発化

タリバンの政権掌握によって混乱に陥ったアフガニスタンで、救護や避難を支援するオンライン・ボランティア活動に頼る人が増えている。ただ、オンラインの向こう側にいるのが何者なのか検証することなく、個人情報を提供するのは危険だ。 by Abby Ohlheiser2021.08.19

アフガニスタン政府の突然の崩壊により、救援や避難を加速させるための必死のネット上での試みが始まった。これらの試みは、主にグーグル・フォームやワッツアップ(Whatsapp)、さらにはソーシャルメディアの非公開グループを介して実行されており、米国政府が脆弱なアフガニスタンの人々を守れなかったことで残された空白を埋めようとしている。アフガニスタンを脱出しようとしている多くの人々にとって、唯一の頼みの綱になる可能性があるが、同時に、観測筋はタリバンがクラウドソーシングされた情報を要救助者の特定に使用する可能性を恐れており、リスクがないわけではない。

アフガニスタンの内戦は20年の月日を経て、これまでに少なくとも17万4000人の命が奪われたが、カブールが陥落したのはごく最近のことであった。カブールにタリバンが迫ってくると、アシュラフ・ガニ大統領は8月14日にアフガニスタンを脱出した。その翌日の8月15日、タリバンはアフガニスタン大統領府に入った。

一方、カブール市民は、タリバンによる占拠が彼らにとって何を意味するのかを恐れながら様子見したり、アフガニスタンの唯一の脱出ポイントである市内の空港の混沌を抜けて脱出を試みたりしていた。そうした中で、できるだけ多くの人々を助けようと、必死のボランティア活動が進行していた。

お役所仕事を迂回する

アフガニスタン人とその協力者は、何週間にもわたって準備を進めてきたが、最後に残されたいくつかの主要都市が往々にして無抵抗のまま1週間でタリバンの手に落ち、救援の取り組みは改めて緊急性を帯びてきた。主にネットで機能する非公式ネットワークが、ジャーナリスト、非営利団体、大学、さらには時として公式な政策を度外視して仕事をする政府関係者など、アフガニスタン内外の人々で構成され、さまざまな再定住プログラムの対象となるアフガニスタン人のリストをまとめたり、時間のかかるお役所的プロセスを完全に迂回しようとしていた。

いくつかのグループは、民間空輸の航空機をチャーターすることを計画していた。道路状況に関する情報をクラウドソーシングし、州内で身動きが取れないアフガニスタン人を特定して、カブールに向かう手助けをする計画を立てたグループもあった。一方では、ジャーナリスト、女性リーダー、特定のプロジェクトに携わったアフガニスタン人など、より具体的な対象グループに焦点を当てた取り組みもあった。

パスポートを所持しているアフガニスタン人の避難を願う国家安全保障関連の組織連合が作成したグー …

タリバンの政権掌握によって混乱に陥ったアフガニスタンで、救護や避難を支援するオンライン・ボランティア活動に頼る人が増えている。ただ、オンラインの向こう側にいるのが何者なのか検証することなく、個人情報を提供するのは危険だ。
こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35 」の日本版が候補者を募集している。特定の分野や業界だけでなく、世界全体の重要な課題を解決するイノベーターを発信していく。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.4/Summer 2021
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.4/Summer 202110 Breakthrough Technologies

新型コロナウイルス・ワクチンの開発で脚光を浴びた「メッセンジャーRNA」技術から、人間並みの文章を自在に生成できる人工知能(AI)技術「GPT-3」、電気自動車(EV)普及の鍵を握る「次世代バッテリー」まで。MITテクノロジーレビューが選んだ「世界を変える10大テクノロジー」。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る