KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/30】はIU35 Japan Summitへ
米政府機関で「顔認識」利用拡大、規制化の声に逆行
AP Photo/Steven Senne File
人工知能(AI) 無料会員限定
US government agencies plan to increase their use of facial recognition technology

米政府機関で「顔認識」利用拡大、規制化の声に逆行

最新の調査結果によると、米国の政府機関や地方自治体などが顔認識テクノロジーを利用しており、今後利用範囲を拡大していく見込みだ。一方で、顔認識システムは人種間での誤認識などの問題を抱えており、規制を求める動きがある。 by Tate Ryan-Mosley2021.08.27

米国政府監査院(GAO)が8月24日に公表した90ページの報告書は、連邦政府機関が現在、顔認識システムをどれほど利用し、利用範囲を拡大しようとしているかを詳細に伝えている。調査対象となった24機関のうち10機関が、2023年までに顔認識テクノロジーの利用拡大を計画しており、研究開発に投資していることが明らかになった。

この報告書は、議会の要請に基づき、2020会計年度の連邦政府機関における顔認識システムの利用について調査した結果をまとめたもの。顔認識テクノロジーの利用は「ますます一般的に」なっており、調査対象となったほとんどの機関はサイバーセキュリティ対策、国内法の執行、または物理的セキュリティの保護のために使用しているという。調査に参加したすべての機関に対して、顔認識システムを将来利用する予定についても尋ねている。

今回の報告書は、警察や政府による顔認識テクノロジーの使用に対し、プライバシー/人権擁護団体からの反発が起きた1年後に発表された。顔認識システムは、肌の色が濃い人、女性、若者や高齢者の認識精度が低いことがわかっている。6月にGAOが発表した別の報告書でも、顔認識テクノロジーを使用する連邦法執行機関の監督不足が指摘された。

現在、調査対象の24の連邦機関のうち18の機関が何らかの顔認識テクノロジーを使用しており、多くの機関が2つ以上のシステムを保有している。顔認識システムを利用していても今回の調査対象外となっている連邦政府機関もあり、政府による顔認識テクノロジーの利用について包括的な調査はまだ存在しない。調査対象の機関が使用しているのはほとんどが連邦政府所有のシステムだが、そのうち6つのシステムはクリアビューAI(Clearview AI)、ヴィジラント・ソリューションズ(Vigilant Solutions)、アキュエント・フェイスID(Acuant FaceID)といった商業ベンダーが提供している。

米国の農務省、商務省、国防総省、国土安全保障省、保健福祉省、内務省、司法省、国務省、財務省、退役軍人省は、2020~2023年の間に顔認識システムの使用範囲を拡大する予定だ。この10機関は17種類の顔認識システムを導入を進 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Promotion The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、
    日本発U35イノベーター
    2024年版
  3. AI will add to the e-waste problem. Here’s what we can do about it. 30年までに最大500万トン、生成AIブームで大量の電子廃棄物
  4. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  5. OpenAI brings a new web search tool to ChatGPT チャットGPTに生成AI検索、グーグルの牙城崩せるか
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る