KADOKAWA Technology Review
×
生成AIで5秒後の道路状況を予測、自動運転スタートアップ
Sarah Rogers/MITTR | Getty
人工知能(AI) 無料会員限定
This self-driving startup is using generative AI to predict traffic

生成AIで5秒後の道路状況を予測、自動運転スタートアップ

自動運転スタートアップのワービ(Waabi)は、生成AI技術を使った自動運転向けモーション予測システムを発表した。特定の状況下で周囲の車両がどのように動くかを予測し、5〜10秒先のライダー表現を生成する。 by James O'Donnell2024.03.18

自動運転車企業の「ワービ(Waabi)」は3月15日、生成AIモデルを使った自動運転向けのモーション予測システムを発表した。

「Copilot4D(コパイロット4D)」と呼ばれるこの新しいシステムは、ライダー(LiDAR:レーザーによる画像検出・測距)センサーからの大量のデータに基づいて訓練された。ライダーはレーザー光を物体に照射し、その反射光を使って距離や形状を計測するセンシング技術である。Copilot4Dは、例えばドライバーが高速道路に無謀に合流するような状況をモデルに与えると、周囲の車両がどのように移動するかを予測し、5~10秒先のライダー表現を生成する(おそらく玉突き事故の状況が示される)。今回発表されたのはCopilot4Dの初期バージョンに関するものだが、同社のラケル・ウルタスンCEOによると、テキサス州で実施中の自動運転トラックのテスト車両にはより高度で解釈可能なバージョンが導入されており、運転ソフトウェアの実際の意思決定に役立つという。

自律運転は長らく、ルート計画や物体の検出を機械学習に依存してきたが、一部の企業や研究者は現在、生成AI(周囲のデータを取り込んで予測を生成するモデル)が自動運転を次の段階に引き上げるのに役立つと期待している。ワービの競合企業である「ウェイヴ(Wayve)」は昨年、自社の車両で収集した動画を使って訓練した、同等のAIモデルをリリースした。

ワービのAIモデルは、オープンAI(OpenAI)の「DALL-E(ダリー)」や「Sora(ソラ)」などの、画像/動画ジェネレーターと同様の方法で機能する。これは、車の周囲の3Dマップを視覚化するライダーデータの点群を取得し、画像ジェネレーターが写真をピクセルに分割するのと同じように、それらをチャンクに分割するのだ。Copilot4Dは訓練データに基づいて、ライダーデータのすべて …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る