がんの免疫療法の死亡事故
FDAが治験再開を認める
治験中の3人死亡にもかかわらず、FDAは強力ながん免疫療法の治験再開を認めた。 by Michael Reilly2016.07.14
唐突な方針転換だ。バイオテクノロジー企業のジュノ・セラピューティクスによる、患者の免疫機能を遺伝子的に操作する有望ながん治療に再開にゴーサインが出た。
先週、米国食品医薬品局(FDA)は、治験中の患者3人が死亡したことを受け、ジュノ・セラピューティクスの治験に停止命令を出していた。ジュノ・セラピューティクスは、死亡は患者の体外で遺伝子を組み替えられ、体内に注入し戻された免疫細胞が原因ではなく、治療の一環である事前処置用の薬剤「フルダラビン」への中毒反応が引き起した、としていた。治験再開後、フルダラビンは治療手順から除外される。
先週、治験が停止された際に30%下落したジュノ・セラピューティクスの株価は、このニュースを受けて回復した。ジュノ・セラピューティクスが、ライバルのカイト・ファーマやノバルティスより先に市場を手にできるかは今のところ不明だ。ジュノ・セラピューティクスは、2017年までにFDAの認可を得ることを目指していた。
CAR-Tとして知られるジュノ・セラピューティクスの最初の治験は、再発性急性リンパ性白血病患者に対して、驚くべき成果を上げており、10人中約8人で腫瘍が消滅した。しかしこの治療法はリスクが高く、治験は生存可能性の低い患者に限って実施されていた。
関連ページ
- Endpoints
- “Unexpected Deaths Put Promising Immunotherapy on Hold“
- “Gene Therapy’s First Out-and-Out Cure Is Here,”
- “Biotech’s Coming Cancer Cure”
- 人気の記事ランキング
-
- Can the US battery market untangle from China? 送電網の蓄電池から中国製を締め出し、米国が払う「自立」の代償は
- Promotion How AI could reshape Japan’s white-collar workforce 【10/6開催】AIで浮いた人材、次の一手は地方に——冨山和彦氏ら登壇
- This geneticist’s age-reversal tech could help restore sight 失明マウスの視力回復に成功、若返りブームの震源となった研究者
- Batteries just broke another record in the US 米国のバッテリー導入が過去最高、データセンターも需要けん引
- What OpenAI’s latest controversy tells us about the future of math 1万のAIエージェントが ミレニアム懸賞問題を解決、 人間の数学者に残る役割は?
- マイケル レイリー [Michael Reilly]米国版 ニュース・解説担当級上級編集者
- マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
