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 10年冷凍保存の脳は「驚くほど良好」——蘇生は「まったく別の話」
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | Adobe Stock
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This scientist rewarmed and studied pieces of his friend’s cryopreserved brain

10年冷凍保存の脳は「驚くほど良好」——蘇生は「まったく別の話」

マイナス146℃で10年以上保存された人間の脳を研究した結果、組織構造が驚くほど良好に維持されていたことが明らかになった。移植用臓器の冷凍保存技術に新たな可能性を開く一方、「蘇生」は「科学ではなく信仰の飛躍」と複数の科学者は言い切る。 by Jessica Hamzelou2026.03.25

この記事の3つのポイント
  1. 老化研究者の脳が10年以上冷凍保存され、研究により構造の詳細が驚くほど良好に保存されていることが判明
  2. 冷凍保存技術は人体蘇生への応用は困難だが、移植用臓器の長期保存や脳研究の新たなツールとして実用化の可能性も
  3. 脳の完全な蘇生には構造保存を超えた機能回復が必要で、現在の技術では実現可能性は極めて低いと専門家は評価
summarized by Claude 3

L・スティーブン・コールズの脳は、アリゾナ州の保管施設で容器内に収められ、緩衝材に包まれて保管されている。10年以上にわたり約マイナス146℃で維持され、ほとんど手を加えられることなく静かに保存され続けている。

ただし例外がある。約1年前、科学者たちが脳を慎重に持ち上げて撮影したときだ。さらにその数年前には、研究チームがコールズの友人に送るために脳の微小片を採取している。老化研究者であったコールズは、将来の蘇生を期待して人体や脳を長期保存する冷凍保存に関心を持っていた。彼は死の前に、保存処理が自身の脳に与える影響を調べるように、冷凍生物学者のグレッグ・ファヒーに依頼していた。特に、冷却によって脳にひび割れが生じるかどうかに強い関心を示していたという。

コールズの脳は2014年の死去直後に保存されたが、ファヒーがサンプル分析に着手したのはごく最近だ。彼は「驚くほど良好に保存されています」と述べている。

「(脳生検の構造における)あらゆる詳細を観察できます」とファヒーは語る。彼はバイオテック企業インターヴィーン・イミューン(Intervene Immune)およびトゥエンティファースト・センチュリー・メディシン(21st Century Medicine)の最高科学責任者(CSO)であり、後者では執行役員も兼任している。彼は、この結果が将来的にコールズの脳が蘇生する可能性を依然として示していることを期待している。

他の冷凍生物学者はこれほど楽観的ではない。「この脳は生きていません」と、ミネソタ大学で臓器の冷凍保存を研究するジョン・ビショップは述べる。

それでも、ファヒーの研究は、脳を研究する新しい方法を探している神経科学者たちにツールを提供する助けとなる可能性がある。冷凍保存後の人体蘇生はSFの世界の話かもしれないが、移植用臓器を保存するためにこの技術を使用することは手の届く範囲にある。

脳の保管

キャリアの後半を人間の長寿研究に費やした老年学者のコールズは、膵臓がんで亡くなった際、脳を冷凍保存することを選択した。

死亡宣告後、コールズの遺体はアリゾナ州の人体冷凍保存施設アルコー(Alcor)に移送される間、低温で保たれた。頭部は胴体から切り離され、チームは凍結を防ぐ「凍結保護」化学物質を脳に灌流した。その後、頭蓋骨から脳を取り出し、マイナス146℃まで冷却した。

コールズにはもう1つの要望があった。科学者として、冷凍保存された自分の脳を研究してもらいたかったのだ。数百人が脳を(身体の他の部分と共に、または脳だけを)人体冷凍保存施設に保管することを選択している(現在、259人の遺体が全身または頭部としてアルコーに保管されている)。しかし科学者たちは、これらの脳に何が起こったかについてほとんど知らず、蘇生可能であることを示す証拠もない。コールズは長寿への共通の関心を通じてファヒーと知り合い、調査を依頼した。

「彼は、自分を冷凍保存すれば、ひび割れが起こるかどうかを脳から学べると考えていました」とファヒーは語る。彼によれば、臓器をマイナス196℃の液体窒素に入れると通常はひび割れが生じる。極低温は「系に応力を生み出し …

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