麻痺男性、
10年振りに
自分の手で食事
交通事故で肩から下が麻痺した男性が、脳コンピューター・インターフェイスのおかげで10年振りに手を動かし、食事をしてコーヒーを飲んだ。画期的成果だが、まだゆっくりとしか動かせず、複雑な動きもできない。 by Emily Mullin2017.03.31
クリーブランド(カリフォルニア州)在住のウィリアム・コシュバーさんは、右腕と右手をゆっくり動かせる。大したことではない。だが、56歳のコシュバーさんは10年前に自転車事故に遭って以来、肩から下が麻痺しているとなれば話は別だ。
コシュバーさんが再び腕を動かせるようになったのは、コシュバーさんの脳の運動皮質に埋め込まれたふたつの極小記録用チップと右腕に埋め込まれた「神経機能代替装置」(36個の電極で筋肉に信号を送る装置)のおかげだ。
コシュバーさんは毎週オハイオ州にある研究所を訪れ、脳内で収集された信号を取り出して、腕に送信する。この処理によって、簡単な随意運動ならできるようになる。「本当にびっくりしました」とコシュバーさんはいう。
たくさんの電子装置を凝視し、見守る科学者を前に、コシュバーさんはついにコーヒーカップを持ってコーヒーを飲んだり、マッシュドポテトを自力で食べたりできるようになった。ただし、そうするには腕に機械的な装具を装着する必要がある。「まだできない一番の難業は、自力で腕を上下に動かすことです」とコシュバーさんはいう。
以前にも、実験動物や被験者十数人に脳インプラントを埋め込み、思考で直接コンピューターのカーソルやロボットアー …
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