KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
「見えない病気」子宮内膜症に光明、新世代の非侵襲検査が登場
Courtesy MM Production – Magali Meira
生物工学/医療 Insider Online限定
New noninvasive endometriosis tests are on the rise

「見えない病気」子宮内膜症に光明、新世代の非侵襲検査が登場

症例の半数が画像検査で検出されず、確定診断まで10年近くかかる子宮内膜症。この「見えない病気」に対し、血液や唾液中のバイオマーカーを分析する非侵襲的検査が登場している。複数の企業が2026年内の実用化を目指し、早期診断実現が期待される。 by Colleen de Bellefonds2025.10.22

この記事の3つのポイント
  1. 複数企業が血液や唾液から子宮内膜症を診断する非侵襲的検査を2026年内に米国で発売予定
  2. 現在診断に平均10年かかり手術が必要だが新検査により早期発見と治療開始が可能になる
  3. 検査技術の進歩により疾患サブタイプ分類が可能となり標的治療薬開発への道筋が期待される
summarized by Claude 3

シャンタナ・ヘーゼルは、月経中に内臓が飛び出してしまうのではないかと頻繁に感じていた。刺すような痛みに14年間苦しんだ末、ようやく子宮内膜症と診断された。子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮外に着床し、月経周期ごとに出血を繰り返す炎症性疾患である。この疾患は、激しい月経痛や有害な瘢痕組織の形成を引き起こす可能性がある。現在50歳で、子宮内膜症啓発団体のシスター・ガール財団(Sister Girl Foundation)の創設者であるヘーゼルは、かつて外科医から、ラフィー・タフィー(日本版注:米国で人気のある粘着性のキャンディ)のような病変によって内臓が「癒着している」と告げられた。16回におよぶ手術を経て、彼女は30歳で子宮を摘出した。

ヘーゼルは決して特別な存在ではない。子宮内膜症は、米国の生殖年齢にある女性の11%以上に、衰弱させるような痛みや大量の出血をもたらしている。診断には平均して10年近くかかる。症例の半数が画像検査で検出されず、確定診断には組織サンプルを採取するための手術が必要なことが一因だ。

だが、この十分に理解されていない疾患の診断を加速し、管理を改善する可能性のある新世代の非侵襲的検査が登場している。

ヘラ・バイオテック(Hera Biotech)、プロテオミクス・インターナショナル(Proteomics International)、ネクストジェン・ジェーン(NextGen Jane)、ジウィグ(Ziwig)などの複数の企業が、2026年内に、米国で子宮内膜症診断法の発売を目指している。これらの検査は、子宮内膜組織、血液、月経血、唾液のサンプル中のバイオマーカー(この場合、疾患や炎症などのプロセスを示すmRNA、タンパク質、miRNAなどの生体分 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る