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どうなる2026年のAI、
本誌が予測する5大トレンド
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | Getty Images
人工知能(AI) Insider Online限定
What's next for AI in 2026

どうなる2026年のAI、
本誌が予測する5大トレンド

2026年の人工知能(AI)関連の動きを、MITテクノロジーレビューの執筆陣が大胆予測。中国製LLMの採用、LLMによる未解決問題の解決など、注目すべき5つのトレンドを紹介する。 by MIT Technology Review Editors2026.01.08

この記事の3つのポイント
  1. ディープシークR1等中国製オープンソースモデルがシリコンバレー製品の基盤として急速に普及
  2. 米国でAI規制を巡りトランプ政権と州政府が対立し企業ロビー活動が激化する見通しだ
  3. チャットボット責任問題や名誉毀損等の新たな法的争点で複雑な訴訟が本格化するとの予想も
summarized by Claude 3

絶え間なく変化する業界において、次に何が起こるかを予測するのは無謀に思えるかもしれない。しかし、ここ数年、私たちはまさにそれをやってきた——そして今回も再び挑戦する。

前回の予測はどうだったか?私たちは2025年に注目すべき5つのホットなAI(人工知能)トレンドを選んだ。その中には、私たちが「生成バーチャル・プレイグラウンド」と呼んだもの、つまり世界モデルが含まれていた。これは的中した。グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)のGenie(ジーニー)3からワールドラボ(World Labs)のMarble(マーブル)まで、リアルなバーチャル環境をその場で生成できる技術はますます向上している。いわゆる推論(Reasoning)モデルも的中した。言うまでもなく、推論モデルは急速に最先端の問題解決における新たなパラダイムとなった。科学分野におけるAIブームも的中した。オープンAI(OpenAI)は現在、グーグル・ディープマインドに続いて、科学分野に特化した専門チームを設立している。AI企業の国家安全保障への接近も的中した。オープンAIは戦争における技術使用に関する方針を転換し、戦場のドローン撃墜を支援する防衛技術スタートアップのアンドゥリル(Anduril)と契約を結んだ。そして、エヌビディア(Nvidia)のライバル出現。これはある程度は的中した。中国は先進的なAIチップの開発に全力で取り組んでいるが、エヌビディアの支配的地位は少なくとも現時点では揺らいでいないようだ。

では、2026年には何が起こるのか? 本誌の大胆な予測を以下に紹介する。

1. ますます多くのシリコンバレー製品が中国製LLMをベースに構築される

2025年は中国のオープンソース・モデルにとって大きな年となった。1月にディープシーク(DeepSeek)が、「R1」と呼ばれるオープンソース推論モデルをリリースし、中国の比較的小規模な企業が限られたリソースで何をなし得るのかを世界に示し、衝撃を与えた。2025年末までに「ディープシーク・モーメント」は、AI起業家、市場関係者、開発者たちの間で、ある種の憧れのベンチマークとして頻繁に使われる言葉となった。

多くの人々が、オープンAIやアンソロピック(Anthropic)、グーグルを介さずに最高レベルのAI性能を味わうことができると初めて気づいた瞬間だった。

R1のようなオープンウェイト・モデルは、誰でもモデルをダウンロードして自分のハードウェア上で実行できる。また、 蒸留(Distillation)や剪定(Pruning、「枝刈り」とも)などの手法によってモデルを調整できる柔軟性もある。これは、主要な米国企業がリリースする「クローズド」モデルとは対照的だ。クローズド・モデルでは中核機能は非公開で、利用には高価な費用がかかることが多い。

その結果、中国のモデルは手軽な選択肢となった。CNBCとブルームバーグの報道によると、米国のスタートアップは中国製モデルが提供可能な価値をますます認識し、受け入れている。

注目すべきモデル群の1つが、「Qwen(クウェン)」である。これは、中国最大のeコマース・プラットフォーム「タオバオ(Taobao)」を運営するアリババ(Alibaba)が開発したものだ。中でも「Qwen2.5-1.5B-Instruct」は885万回以上ダウンロードされており、最も広く使われている事前訓練済み大規模言語モデル(LLM)の1つとなっている。Qwenファミリーは、数学、コーディング、視覚処理、指示追従に特化したバージョンや、幅広いモデルサイズを展開しており、その多様性がオープンソース界における強力な存在感を支えている。

かつてはオープンソースへの本格的な取り組みに消極的だった他の中国AI企業も、今ではディープシークの戦略を追随している。中でも注目すべきは、ジプー(智谱:Zhipu)の「GLM」やムーンショット(月之暗面:Moonshot)の「Kimi(キミ)」である。この競争により、米国企業も少なくとも部分的にオープン化を進めざるを得なくなっている。2025年8月、オープンAIは初のオープンソース・モデルをリリースした。同年11月には、シアトルに拠点を置く非営利団体であるアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI)が最新のオープンソース・モデル「Olmo(オルモ)3」を公開した。

米中対立が激化する中にあっても、中国のAI企業によるオープンソースへのほぼ全面的な取り組みは、グローバルなAIコミュニティからの好意と、長期的な信頼を勝ち取る優位性とな …

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