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AIに何を任せ、任せないか
子どもたちは大人よりも
はっきり分かっている
CHRIS PIASCIK
人工知能(AI) 無料会員限定
How kids feel about AI, in their own words

AIに何を任せ、任せないか
子どもたちは大人よりも
はっきり分かっている

「AIは私たちの問題を解決してくれるものではありません」——17歳の子はそう言い切った。10代の多くは、AIをカンニングの道具として礼賛するでも、頭から拒むでもない。使うところは使い、任せないところははっきり線を引く。理屈の上では代わりに考えてくれるツールが増えても、彼らは自分でハンドルを握っていたいのだ。 by Keeley McNamara2026.08.18

この記事の3つのポイント
  1. 10代のAIへの態度は無関心・懐疑・活用と多様で、大人の予想より複雑なニュアンスを持つ
  2. 子どもたちはAIを学習・創作・医療管理など実用的場面で主体的に使いこなし、何を任せるかを明確に判断している
  3. 若者はAIに自律性を奪われることより環境負荷や社会的害悪を懸念し、自らハンドルを握り続けようとしている
summarized by Claude 3

人工知能(AI)について子どもたちに話を聞こうとしたとき、どんな答えが返ってくるかはだいたい想像がついているつもりだった。かつてのミレニアル世代やX世代が要約本参考書の『CliffsNotes(クリフスノート)』を開いたり、グラフ関数電卓の「TI-82」に数式を入力したりしたように、ちょっとしたカンニングにAIを使っているという子もいれば、感心するような使い方を教えてくれる子もいるだろうと予想していた。ディープフェイクや雇用の喪失といった、子どもに限らない懸念も出てくるだろうと思っていた。ところが、実際に10歳から18歳の子どもたちにAIについて尋ねてみると、返ってきた答えは思いのほかずっと複雑で、さまざまなニュアンスを含んでいた。

音楽やロッククライミング、サッカーの話ならいくらでもできるような子どもたちの多くが、私たちの質問には「ふーん」とか「別に」といった反応しか示さなかった。AIに強く反対していたり、自分の生活に取り入れることにまるで関心がなかったりして、AIについて話すこと自体を嫌がる子もいた。ある10代の少年は、周りの子たちが、レポートを書かせるなど、やってはいけないとわかっていることにAIを使っていると話した。別の少女は、環境への影響を理由にAIには一切触れないと言った。この分野そのものに失望しているという子も何人かいた。「AIは私たちの問題を解決してくれるものではありません」と、17歳のウィンターは言う。「創造性や批判的思考が失われてしまうのではないかと心配です」。それでも、話を聞いた子どもたちの大半は、少なくとも少しはAIを使っていると認めた。

私たちが話を聞いた小中学生の多くにとって、AIはまだそれほど関心の中心にはなっていないようだ。iPhone(アイフォーン)やSnapchat(スナップチャット)のアカウントのように、欲しいとせがむものでもない。AIとの最初の出会いは、親や学校だったという子が多かった。いつも使っている端末やアプリに、いつの間にかAIが組み込まれていたという場合もある。Google検索のように、AIはただそこにあるのだ。

私たちが聞いた話は、データとも一致している。ピュー研究所(Pew Research Center)が2026年2月に発表した調査では、米国の10代の57%がチャットボットを情報検索に使ったことがあり、54%が学校の勉強に、47%が楽しみや娯楽に使ったことがあると回答した。感情面の支えや助言を求めて使ったことがあるのは12%にすぎない。10代がAIを無害な用途に使う可能性は、潜在的に有害な用途に使う場合の4倍以上だ。キャラクターやテック・プラットフォーム、ほかの子どもの学習を助けるチューターなど、何かを作るためにAIを使っている子さえいる。

だからといって、そうした懸念が的外れというわけではない。子どもたちはフィルターのかかっていないコンテンツに出くわしたり、自分で判断する代わりにチャットボットに頼ったり、間違った答えを信じたりする可能性がある。そうした危険からは守られる必要がある。だが、危険があるからこそ使い方を教えるべきなのであって、避けるべきなのではない。10代の若者に、絶対に車を運転するなとは教えない。死角を確認するよう教えるのだ。

私たちが最も驚かされたのは、若者たちのほうがAIについて大人に教えられることがどれほど多いか、そしてAIを使う子どもたちが、何をAIに任せ、何は任せないのかを実にはっきり言葉にできることだった。彼らが心配しているのは、AIに自分たちの仕事を奪われることよりも、AIが社会に害を及ぼすことだ。そして、理屈の上では自分の代わりに考え、話し、さらには友達まで作ってくれるようなツールが身近になっていっても、ほとんどの子は自分でハンドルを握っていたいようだ。

以下のインタビューは、長さとわかりやすさを考慮して編集している。

コーダー

レミー、16歳、ニューヨーク州

AIについて考えたときに浮かぶ言葉は、「無関心」です。今ある使い道の中に、自分にとってそこまで面白いものが見当たらないんです。学校に行って、テコンドーを教えて、本を読んで、友達とゲームをします。どれにもAIは必要ありません。でも、AIを使わないわけではありません。学校以外でプログラミングをするときは、たいていClaude(クロード)の無料版を使います。コンピューターのオーバークロック設定を調整できるか試すプログラムを書くのを手伝ってもらったこともあります。だから、魅力はわかります。

でも学校では、AIのせいで課題はよくなるどころか、むしろ悪くなっていると思います。英語の授業では今、文章はすべて授業中に書かされます。先生たちが生徒にカンニングしてほしくないからです。そのため、エッセーを丸ごと1本書くのに70分しかありません。そのせいで、かえっていい文章が書きにくくなっていると思います(プリンストン大学では、1世紀以上ぶりに教員による試験監督を認めることが決まったって知っていましたか? 同大学の名誉規定は1893年までさかのぼるのに、AIのせいで今やそれもおしまいです)。

コードを書くなら、やはり自分で作りたいです。友達と一緒に、ゲームエンジン上で強化学習モデルを作っています。最初はランダムに動き、コインの方向に進むと報酬を得て、それを十分な回数繰り返すと、最も効率的な経路を自ら学ぶモデルです。ゲーム開発にもAIを試してみましたが、まだ使いものになりません。雑なコードを書くし、複数のゲームメカニクスを組み合わせて1つのまとまりにするのも苦手です。自分でコードを書くより、修正するほうに時間がかかると思います。

全体として、今のAIは、最初の自動車や最初の飛行機みたいなものだと思います。おもしろいけれど、まだ粗削りです。明らかにすごい発明ですが、今のところ実際に優れたものとは言えません。でも、いずれは進歩するでしょう。以前読んだのは、AIが乳がんをより正確に見つけ、偽陽性も自ら検出できるよう訓練しつつ、最終的には人間が確認するという話でした。僕が関心を持つのは、そういうAIです。

オーガナイザー

ダニエル、18歳、カリフォルニア州

私は工学を学んでいて、人生の目標は、できるだけ多くの人の役に立つテクノロジーを生み出すことです。私にとって、AIはそれ自体が善でも悪でもありません。どうなるかは、それを使う人次第です。AIはすでに、さまざまな形で人の役に立っています。たとえば、一人ひとりに合わせた教育や、より利用しやすい …

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