KADOKAWA Technology Review
×
【4/24開催】生成AIで自動運転はどう変わるか?イベント参加受付中
U.K. Signs a Deal with Amazon to Test Delivery Drones

アマゾンのドローン配達
米の規制避け英で試験飛行

英国政府がアマゾンと提携して配達ドローンの試験を許可する一方で、米国の規制当局は禁止したままだ。 by Michael Reilly2016.07.27

巨大小売り企業アマゾンが小荷物配達用ドローンの試験について英国政府と提携した。アマゾンは米国ではこの種のドローン・テクノロジーの試験をまだ禁じられている。アマゾンにとっては大成功だ。

米国連邦航空局(FAA)が6月に発表したドローン使用規制の改正版は、商用ドローンの米国の空を限定的に解放した。しかしアマゾンにとって致命的だったのは、GPS制御の自動飛行や、ドローンが操縦者の視界を外れて飛行する場合が除外されていたことだ。

アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、ドローンによる小荷物配達について強気の姿勢を保ってきた。2013年にベゾスCEOは米国の報道番組『シックスティー・ミニッツ』に出演し、ドローンはアマゾンの未来だと話した。だがアマゾンの巨大な配達ネットワークの大部分は今も陸上のままで、テクノロジー的変化に対するFAAの鈍重な対応をアマゾンは罵倒してきた。

 

6月の発表で、FAAのマイケル・ウェルタ局長は、改正された規制を「第一歩に過ぎない」と語り、障害物を自動的に検知・回避する能力のように、アマゾンが投入したいと関心を寄せる、いくつかのテクノロジーについて見直すことを約束した。

アマゾンはもう待てないようにも見える。しかしニューヨーク・タイムズ紙が報道したように、アマゾンは米国でのドローン研究を減速させるつもりはなく、オランダとカナダでドローンの試験計画をぶち上げた。

アマゾンが英国のFAAに相当する英国民間航空局との提携を発表したとき、同社は「アマゾンはドローンで小包を英国と世界中の顧客に30分以内に安全に配達する目標に近付ける」と述べた。この発表で明らかなのは、米国での買い物はどんなに新しく買った商品を待ちわびても、空から商品が降ってくることはないことだ。残念。

関連ページ

人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #28 「自動運転2.0  生成AIで実現する次世代自律車両」開催のご案内
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. 10 Breakthrough Technologies 2024 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版
マイケル レイリー [Michael Reilly]米国版 ニュース・解説担当級上級編集者
マイケル・レイリーはニュースと解説担当の上級編集者です。ニュースに何かがあれば、おそらくそのニュースについて何か言いたいことがあります。また、MIT Technology Review(米国版)のメイン・ニュースレターであるザ・ダウンロードを作りました(ぜひ購読してください)。 MIT Technology Reviewに参加する以前は、ニューサイエンティスト誌のボストン支局長でした。科学やテクノロジーのあらゆる話題について書いてきましたので、得意分野を聞かれると困ります(元地質学者なので、火山の話は大好きです)。
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #28 「自動運転2.0  生成AIで実現する次世代自律車両」開催のご案内
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. 10 Breakthrough Technologies 2024 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る