KADOKAWA Technology Review
×
The World’s Largest Wind Turbines Have Started Generating Power in England

高さ195メートル、世界最大の風力タービンが英国で稼働

洋上風力発電先進国・英国で世界最大の商業用風力タービンが稼働した。1回転で1家庭29時間分の電力を生み出せる。 by Jamie Condliffe2017.05.26

英国北西部の海岸にあるバーボ・バンク風力発電所で機械設備のメンテナンスを担当する技術者は、高所恐怖症では務まらないだろう。全高195メートルの、世界で最も大きな商業用風力タービンだからだ。

5月第2週に稼働した新しい風力発電所は、正確に言うと10年前に設置された古い施設に、超巨大な32基の新タービンを付け足したもの。新タービンにはそれぞれ長さ80メートルの羽根が3枚ある風車が取り付けられており、1基あたり8メガワット、施設全体では258メガワットの発電量を供給する。プロジェクトを率いるデンマークの企業ドン・エナジーは、1基のタービンが1回転すると、1家庭の29時間分の電力を発電できると発表している。

英国は洋上風力発電に熟達している国だ。ガーディアン紙が報じているように、英国は世界のどの国よりも多く風力発電機を設置し、現在の発電容量は5.3ギガワットにも上る。対照的に、米国は初の洋上風力発電所の建設が始まったばかりだ。しかし、洋上風力発電を嫌っていたドナルド・トランプ大統領は方針を転換したため、米国が将来、バーボ・バンク風力発電所を買収するようなこともあるかもしれない。

(関連記事:Guardian, “Finally, the U.S. Is About to Get Its First Offshore Wind Power,” “洋上風力発電嫌いのトランプ政権、雇用者増で推進に方針転換?”)

人気の記事ランキング
  1. AI reasoning models can cheat to win chess games 最新AIモデル、勝つためなら手段選ばず チェス対局で明らかに
  2. This artificial leaf makes hydrocarbons out of carbon dioxide 人工光合成が次段階へ、新型人工葉が炭化水素合成に成功
  3. An ancient man’s remains were hacked apart and kept in a garage 切り刻まれた古代人、破壊的発掘から保存重視へと変わる考古学
  4. AGI is suddenly a dinner table topic 膨らんではしぼむ「AGI」論、いまや夕食時の話題に
タグ
クレジット Video by DONG Energy
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る