KADOKAWA Technology Review
×
ニュース Insider Online限定
Autonomous Grocery Vans Are Making Deliveries in London

食料品は自動運転車がお届け、ロンドンで実験中

日本では配達員の不足が社会問題化しているが、ロンドンでは小型の自動運転車による食料品の配送が実験中だ。 by Jamie Condliffe2017.06.29

アプリを起動して食料品を注文し、玄関先まで届けてもらう。このようなサービスは、アマゾン・フレッシュやインスタカートなどのおかげで、珍しいものではなくなってきた。しかし、ロンドン市内のある地区では、食料品の配送サービスが自動運転型のトラックによって行われている。

配送するのはカーゴポッドと呼ばれる車両だ。オックスフォード大学から独立した企業オックスボティカ(Oxbotica)が開発に携わり、オンライン食料品販売業者であるオカド(Ocado’s)のインフラを利用している。小型電気自動車のカーゴポッドにはライダー・センサー(レーザー光線を照射し、反射によって周囲をスキャンするセンサー)とステレオカメラが取り付けられており、オックスボティカの自律ソフトウェアで自動的に障害物を感知して道路を走行できるのだ。ただし、アメリカと同じく、イギリスでも自動運転車の走行にはセーフティー・ドライバーの同乗が義務付けられている。

車両の後ろには8つに仕切られたトランクがあり、それぞれの仕切りには木箱が敷き詰められていて、食料品の入った買い物袋を3つずつ収納できるようになっている。トラックに食料品を詰め込む作業は、人の手によって小さな配送センター(今回のケースでは80箱の木箱を収納できる大きめのオカド・トラック)で行われ、カーゴポッドの配送ルートに従って各配送先まで移動する。配送ルートはクラウド上で大まかに設定されるが、最終的な決定権は車両そのものにある。カーゴポッドが指定された住所に到着すると、顧客にはスマートフォンから通知が届くので、車両のボタンを押して仕切りを開けて食料品を取り出せばよい。

これまで実験されてきたアマゾンのドローンなどによる自動配送サービスと同じように、今回の運用にもかすかな不安要素がある。まず、顧客が選べる食料品セットは3種 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. We finally have a definition for open-source AI 「オープンソースAI」問題ついに決着、OSIが定義を発表
  2. Here’s how people are actually using AI カネにならない生成AIブーム、LLMはどう使われているか?
  3. The US physics community is not done working on trust 物理学界で繰り返される研究不正、再発防止には何が必要か
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る