「心の声」を読み取る機械、
まずは小鳥のさえずりで実現
カリフォルニア大学の研究チームが、小鳥の脳の活動を解析してさえずりを予測するデバイスを開発した。シリコンバレーの起業家たちが掲げる、人間の脳を読み取って直接テキストを送信するという目標には遠いが、少し近づいたと言えそうだ。 by Antonio Regalado2017.10.18
シリコンバレーの起業家たちが今年、大胆な新目標を掲げた。脳の読みとりデバイスを作り、人が自分の思考を楽々とテキストにして送信できるようにする、というものだ。
この4月、イーロン・マスクはニューラリンク(Neuralink)という脳インターフェイスの秘密の新企業を発表した。その数日後、フェイスブック最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグが「脳直結インターフェイスにより、やがては頭で考えるだけでコミュニケーションが取れるようになるでしょう」と宣言した。フェイスブックでは60人のエンジニアがこの問題に取り組んでいるという。
野心的な探求といえよう。しかもすぐには実現しないと考えられる理由もある。ただ少なくとも、オレンジ色のくちばしをした1羽の小鳥、キンカチョウにとっては、この夢が現実にずっと近いものとなった。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のティモシー・ジェントナー(Timothy Gentner)教授と学生たちは、キンカチョウの脳からさえずりに繋がるインターフェイスを構築した。キンカチョウがさえずるほんの一瞬前に、どんな歌をさえずるかが分かるようにしたのだ。
ジェントナー教授たちは「脳の神経細胞(ニューロン)活動を直接解読し、現実のさえずりに近い合成さえずりを生成する」と、生物学分野のプレプリント(査読前の論文)投稿サイトbioRxivに掲載された新しいレポートで発表した。鳥のさえずりの専門家であるアルゼンチン人、エズキエル・アルネードを含む研究チームは、このシステムを「ニューロン活動から複雑な自然のコミュニケーション信号を解読するデバイス」のプロトタイプ第1号と呼んでいる。同様のアプローチにより、人間の思考からテキストに繋がるインターフェイスの実現に向けた進歩が促されるかもしれないという。
小鳥の脳はそれほど大きいものではない。しかし発声の仕方が人間の発話の仕方と似 …
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