KADOKAWA Technology Review
×
非現実的なテスラの電気トラック、480キロ未満なら実現可能か
持続可能エネルギー An Electric Semi Definitely Won’t Work—But Seven in a Row Might

非現実的なテスラの電気トラック、480キロ未満なら実現可能か

イーロン・マスクが昨年の夏に発表した電気セミトラックを本格展開する計画について、専門家たちは経済的に実現し得ないと口々に批判した。しかし、多数のトラックが隊列を組む「プラトゥーン走行」なら実現の可能性があるとする研究結果が報告された。 by James Temple2017.11.02

イーロン・マスクがテスラの電気セミトラック(トレーラーの荷台部分をけん引するトラック)を本格展開するという野心的な計画を2017年夏に発表してから、業界関係者やバッテリーの専門家は計画の実現性について疑念を隠そうとしなかった。

研究者たちは、現在のリチウムイオン電池は重すぎるし、高価なので、大型トラック輸送という過酷な用途には適さないとずっと主張してきた。しかし、2017年8月のロイター通信の報道は、実現可能性について興味を掻き立てるものだった。ネバダ州陸運局の規制担当者とのやり取りの中でテスラが、自律運転テクノロジーを用いて、複数のトラックをプラトゥーン走行(複数の車両が車間距離を詰めたまま一つに連なって走行すること)させるテストを申し出たというのだ(「10-4, Good Computer: Automated System Lets Trucks Convoy as One」を参照)。

プラトゥーン走行の基本的なコンセプトは、複数のトラックがきっちりと整列して走行することで、空力抵抗を大幅に低減し、車隊全体のエネルギー効率を引き上げるというものだ。テスラは11月のイベントで電気トラックを公開するとしており、同社のこの戦略が脚光を浴びることは間違いない。

ロイター通信の報道を受けて、カーネギーメロン大学のバッテリーの研究者が実現可能性について綿密な調査をした。そして、十分な数のセミトラックがあれば、プラトゥーン走行によりコスト競争力を高められるとする研究結果を、10月26日のACS(アメリカ化学会) エナジー・レター誌に発表した。480キロ未満の移動距離を7台のトラックで走行する状態が最適で、この場合の空力抵抗は50%まで削減される。一方、より長距離の輸送では、依然としてべらぼうに高いコストとなる。

カーネギーメロン大学機械工学部のベンカット・ビスワナサン准教授は、同学部の大学院生であるシャシャンク・スリパッドとマシュー・グーテンバーグと共に分析を実施した。ビスワナサン准教授とスリパッドは、 …

こちらは会員限定の記事です。
無料登録すると1カ月10本までご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月150本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
いまだけ【5,000円引き】クーポン配布中
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月150本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
いまだけ【5,000円引き】クーポン配布中
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る