EVシフトでも覇権目論む
中国の巨大な野望
リチウムイオン電池製造のCATLが中国で株式を上場した。連日の株価急騰に世界の目が集まっている。CATLへの高評価の背景には、中国政府による補助金をはじめとしたクリーン・エネルギー分野で世界の主導権を取るという計画がある。 by James Temple2018.06.26
6月上旬、クリーン・エネルギー業界の支配を目指す中国の大規模計画が、華々しい成果を上げた。
中国の大手電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL:Contemporary Amperex Technology)が6月11日、深セン証券取引所に上場し、野心的な拡大計画のために約10億ドルを調達して以来、株価の急騰が続いている。CATLの巨大な新工場の建設によって、中国は2021年までに世界の電気自動車用電池の70%を生産するようになると、ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスは伝えている。
中国はクリーン・エネルギーにおいて将来有望な2大分野である電池と電気自動車の強化を目指す計画を推進してきた。中国のこれまでの取り組みの成果の1つが、今回のCATLの急成長だ。2大分野の強化のために、中国は太陽光パネルで主導権を取るために用いたのとほぼ同じ戦略をとった。製造の高度な自動化、世界のサプライ・チェーンを独占する精力的な取り組み、外国企業買収とライセンス取得、大規模な政府支援と保護主義などだ。
中国はすでに世界最大の自動車市場だが、中国企業が販売する自動車と部品の世界シェアはごくわずかだ。「中国は電気自動車を自動車業界での国際優位性を確立する手段と考えています」とカーネギーメロン大学で電池を専門的に研究するヴェンカット・ヴィシュワナテン教授(機械工学)はいう。「成功するためには規模が必要です。最もうまく拡大しているのが中国です」。
中国のクリーン・エネルギーへの取り組みは大きな計画の一環であり、大気汚染削減や急増する国内エネルギー需要への対応、気候変動との闘いにおける主導権の確立、国際ビジネスの優位性に伴う諸外国からの共感を得ることを目指している。
福建省寧徳市(ねいとくし)に本社を置くCATLの株価は取引開始から連続3日間、値幅制限いっぱいまで高 …
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