アップルが自動運転技術の「チラ見せ」に追い込まれた理由
秘密主義で知られるアップルが自動運転プロジェクトの情報をチラ見せしたのは珍しい。それには、あのアップルでさえも人材獲得に苦労しているという事情がある。 by Will Knight2017.12.26
アップルの研究者が自動運転自動車用に開発中の機械学習テクノロジーの内容を珍しく少しだけ明らかにした。
12月第2週、人工知能(AI)研究者向けのプライベート・ワークショップで、アップルのAI研究を率いるルスラン・サラクトゥディノフ所長は、招待したAI研究者に対して自動運転に関連する複数のプロジェクトについて語った。カリフォルニア州ロングビーチで開催された2017年最大規模のAI学会、神経情報処理システム(NIPS)学会でのことだ。講演にはライバルのテック企業の社員を含めた大勢のAI研究者が詰めかけた。目的は、アップルの技術力をアピールし、新たな研究者をスカウトすることだ。
サラクトゥディノフ所長がアップルに入社したのは2016年だが、現在もカーネギーメロン大学の教授を兼務している。講演内容はアップルが11月にオンラインで公開した論文に関するもので、3次元座標における点群(ポイント・クラウド)情報から歩行者や車両を認識するためにシステムを訓練するというものだ。
ほかにも、車の上に設置したカメラを使って道路上のさまざまな物体を識別する手法や、カメラがとらえた映像を利用して車の現在地を非常に正確に認識する手法など、これまで非公開だったプロジェクトが明かされた。カメラを利用したスラム(SLAM:Simultaneous Location And Mapping、自 …
- 人気の記事ランキング
-
- Phase two of military AI has arrived 米軍で導入進む「戦場のLLM」、未解決の3つの課題とは?
- What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
- A Google Gemini model now has a “dial” to adjust how much it reasons 推論モデルは「考えすぎ」、グーグルがGeminiに調整機能
- The awakening of a “silent giant”: How Chinese AI models shocked the world 動き出した「静かな巨人」、中国発のAIモデルが世界に与えた驚き