KADOKAWA Technology Review
×
夏割実施中!購読料20%オフ。
米スタートアップ、量子コンピューターで機械学習の実行に成功
Rigetti
ニュース Insider Online限定
A Startup Uses Quantum Computing to Boost Machine Learning

米スタートアップ、量子コンピューターで機械学習の実行に成功

量子コンピューターのスタートアップ企業であるリゲッティが、プロトタイプの量子チップ上で、機械学習手法の1つであるクラスタリング・アルゴリズムの実行に成功した。量子コンピューターの実用的なアプリケーションに向けた新たな道筋を示すものだとしている。 by Will Knight2017.12.22

カリフォルニアの企業が新奇な、今までの流れを変える可能性を秘めたある種のコンピューター上で、一般的な形式の機械学習が実行できることを実証した。

量子コンピューターは、反直観的な量子物理学の原理を利用して、特定の種類の計算を想像を絶する速度で実行する。この功績は、量子コンピューターが、テック業界の最も白熱した領域である人工知能(AI)に大きな衝撃を与えるかもしれない。

カリフォルニア州バークレーに拠点を置くスタートアップ企業、リゲッティ・コンピューティング(Rigetti Computing)の研究者は、同社のプロトタイプの量子チップの1つを用いて、クラスタリング・アルゴリズムを実行することに成功した。リゲッティの量子チップは、精密な超冷却装置の中に収容された超伝導デバイスだ。クラスタリングは機械学習の手法の1つであり、データを似たようなグループへと整理するのに使われる。リゲッティはまた、19量子ビット(またはキュービット)を処理できる新しい量子コンピューターも開発しており、「フォレスト(Forest)」と呼ばれるクラウド・コンピューティング・プラットフォームを通して利用可能だ。

しかしながら、今回の実証実験の成功がすぐさま、量子コンピューターがAIに革命を起こすことを意味するものではない。量子コンピューターは非常に新奇なものであり、何がキラー・アプリケーションになり得るのかよくわかっていない。例えば、リゲッティの今回のアルゴリズムにしても、何ら実践的な用途はなく、量子機械上でクラスタリングのタスクを実行するのにどれだけ役に立つのか、はっきりしているわけでもない。

それでも、リゲッティのソフトウェアとアプリケーションを統括するウィル・ゼン博士は、今回の研究は量子機械の構築に向けた鍵となるステップになると主張する。「これは量子コンピューターの実用的なアプリケーションに向けての新しい道筋なのです。クラスタリングは非常に基本的かつ基礎的な数理問題です。これが可能だと証明した人はまだ誰もいません」。

実用的な量子コンピューターを開発する取り組みが非常に盛り上がっている。IBM、グーグル、インテル、マイクロソフトといった巨大テック企業、また十分な資金援助を受けた数社のスタートアップ企業が、まったく新しいコンピューティング …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【夏割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. How lasers could help provide fuel for nuclear reactors 核廃棄物は「地上ウラン鉱山」、レーザー濃縮で再生を狙う
  2. How an overlooked geothermal plant got a second chance もっと深く掘れ——採算割れの地熱発電所を米新興企業が再生
  3. OpenAI called the Hugging Face attack unprecedented. But we’ve been here before.  「AIの暴走」ではない、オープンAIのモデルが不正侵入した理由
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る