KADOKAWA Technology Review
×
生命の再定義 Insider Online限定
Gene Therapy Could Make Cancer Care More Unequal, and This Map Shows Why

遺伝子療法の承認で広がる、がん治療の地域間格差

遺伝子療法のキムリアとイエスカルタが米国で昨年承認され、奇跡的な効果が報告されている。しかし、これらの療法による治療を提供しているのはまだ一部の都市に限られており、治療を受けられるかどうか患者がどこに住んでいるかに左右されるのが現状だ。 by Emily Mullin2018.01.29

2つの新しいがん治療法が奇跡的な効果を上げている。しかし、アーカンソー州やモンタナ州、そのほかいくつかの地方の州に住む人々、ましてや米国以外の人々は、数百、数千キロもの旅をしなければ治療を受けることができない。また、いずれはどこでも治療が受けられるようになるかと思えば、そうでもないようだ。

画期的な遺伝子療法であるキムリア(Kymriah)とイエスカルタ(Yescarta)が、米国で2017年に承認された。しかし、これらの治療にかかる1回の費用はキムリアで47万5000ドル、イエスカルタで37万3000ドルと非常に高額だ。そのうえ、今のところ一部の都市部でしか治療を受けられない。以下に、治療が受けられる都市を地図に示す(現在、キムリアの治療が受けられる場所は赤、イエスカルタの治療が受けられる場所は青、両方受けられる場所は緑、キムリアの治療が予定されている場所はオレンジで示した。左上のタブをクリックすると全ての場所のドロップダウン・リストが表示される)。

 

地図には、地方の州に大きな空白ができている。今でさえ、がんによる死亡率が都市部より高い地域だ。キムリアとイエスカルタはどちらも、従来の抗がん剤が効果を表さない場合の最後の手段となっているため、こうした地域に住む人々にとっては深刻な問題だ。患者がキムリアかイエスカルタの治療を受ける頃には既に症状が進行している場合がほとんどで、長距離移動が難しく、治療の遅れにつながりかねない。

公平を期すために言うと、ノバルティス(Novartis)が販売するキムリアとギリアド(Gilead)が販売するイエスカルタは、 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35 」の日本版が候補者を募集している。特定の分野や業界だけでなく、世界全体の重要な課題を解決するイノベーターを発信していく。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.4/Summer 2021
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.4/Summer 202110 Breakthrough Technologies

新型コロナウイルス・ワクチンの開発で脚光を浴びた「メッセンジャーRNA」技術から、人間並みの文章を自在に生成できる人工知能(AI)技術「GPT-3」、電気自動車(EV)普及の鍵を握る「次世代バッテリー」まで。MITテクノロジーレビューが選んだ「世界を変える10大テクノロジー」。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る