量子コンピューター時代も
インテルが勝てる
これだけの理由
量子コンピューターの開発競争では超伝導素子が有力で、シリコン素子は時代遅れのように見られている。しかし、シリコン素子は膨大な生産設備がすでにあることに加えて、最近では、キュービットの作成において有望であることを示す論文も発表されている。 by Martin Giles2018.02.22
何十年もの間シリコンチップは、あらゆる種類のコンピューティング機器の中核であった。しかし、信じがたいほど強力な新しいタイプの技術である量子コンピューターの開発競争では、他の材料にその座を譲ってしまっている。新たな進歩があれば、シリコンを今以上に魅力あるものにできるかもしれない。
理論上、シリコンは強力な次世代のコンピューターを構築する際の有力な候補になるはずだ。シリコン製コンピューター・チップの生産に適した膨大なインフラはすでにある。加えて、シリコンベースのアプローチを使って、キュービット、つまり量子ビットを作成する方法がすでに存在している。
キュービットは、量子コンピューターの基本となる構成要素だ。1つのキュービットは、同時に2つの状態(0 と 1)を取ることができ、これを重ね合わせと呼ぶ。重ね合わせによって膨大な量の並列処理が可能となり、最もパワフルな従来のコンピューターの能力を凌駕する。
しかし、シリコンベースのアプローチは、キュービットを作り出すための別の手段、例えば極低温まで冷やしたアルミニウムのような超伝導材料を使用する方法と比べて、今ひとつ人気がない。シリコンが敬遠されてきたのは、1つには、シリコンベースのアプローチで作り出すキュービットは制御が難しく、そのキュービットで構築する機械をうまく拡張できるかどうかが明らかでないからだ。
チップの巨大企業インテルは、「スピン・キュービット」によってそうした懸念に対処できる …
- 人気の記事ランキング
-
- Namibia wants to build the world’s first hydrogen economy 砂漠の国・ナミビア、 世界初「水素立国」への夢
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #33 バイブコーディングって何だ? 7/30イベント開催のお知らせ
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
- What comes next for AI copyright lawsuits? AI著作権訴訟でメタとアンソロピックが初勝利、今後の展開は?
- Can we fix AI’s evaluation crisis? AIベンチマークはもはや限界、新たなテスト手法の登場相次ぐ
- What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法