米政府が量子コンピューターに本腰、「12億ドル投資」の狙いは?
量子コンピューター産業の育成を目的とした新法案が米下院を通過した。米国家量子イニシアチブ法の草案作成に手を貸したメリーランド大学のモンロー教授が、同法案について語った。 by Will Knight2018.09.18
量子コンピューターは、従来のコンピューターよりもはるかに高速に特定の問題を解くことによって、コンピューター・セキュリティや金融、その他の分野を一変させると期待されている。米政府は、量子コンピューターが持つ潜在的可能性を掘り起こすために、新興量子コンピューティング産業の成長を目的とした法案を通過させたばかりだ。
メリーランド大学のクリストファー・モンロー教授は、MITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「エムテック(EmTech)」に登壇し、次のように語った。「米国はコンピューター工学の原則に加えて、量子物理学の奇妙な性質を学んだ新世代のエンジニアを必要としています。現実世界の問題に取り組める量子コンピューターの開発に役立てるためです」。
モンロー教授が国家量子イニシアチブ法の草案作成に手を貸したのはそのためだ。国家量子イニシアチブ法は9月13日に下院を通過したばかり。連邦プログラムを創設し、量子コンピューティングの研究を加速し、研究員を養成することを目的としている。同法では、量子コンピューターのエンジニアを数多く養成するであろう卓越した研究拠点に対して、12億7500万ドルの資金提供を予定している。
モンロー教授はアイオンQ(IonQ)の共同創業者でもある。現在、実用可能な量子コンピュータ …
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