「老化防止薬」がもうすぐやってくる
臓器移植の拒絶反応を防ぐための免疫抑制剤「ラパマイシン」が、老化に伴う免疫低下を改善することが動物実験で分かっている。人にも同じ効果が見られれば、人の老化の予防に役立つかもしれない。最初の研究結果は、1年以内に明らかになるという。 by Stephen S. Hall2019.09.12
老化を防ぐ薬として現在有望視されている医薬品の1つは、紆余曲折の歴史を歩んできた。1999年、米国食品医薬局(FDA)によって、ラパマイシンは移植された臓器の拒絶反応を防ぐための免疫抑制剤として認可された。のちに科学者は、ラパマイシンがあらゆる種類の生物学的プロセスに影響を与えることを発見した。「哺乳類ラパマイシン標的タンパク質」(mTOR)は、免疫機能や炎症と関係している。
実験により、酵母、線虫、マウスに対して、ラパマイシンが寿命を伸ばす効果を持つことが分かった。同じ効果を、人間にも期待できるだろうか?
いまのところ、ラパマイシンが人間の老化を遅らせることを確かめるための厳密な実験方法は存在しない。むしろ、研究者は、老化の重要な側面である、免疫機能の低下に注目してきた。そして、ラパマイシンの効果を模倣した医薬品が、高齢者の免疫機能を高めることができるかどうかを明らかにしようとしている。
ジョーン・マニックは、2017年にノバルティス(Novartis)からスピンアウトしたバイオテクノロジー企業「リストアバイオ(resTORbio)」の共同創業者であり最高医務責任者(CMO)だ。リストアバイオが臨床試験を実施しているRTB101は、老化に伴う免疫反応の低下を遅らせる薬の一番の候補となっている。マニックCMOによれば、RTB101のアンチ・エイジング効果についての最初の研究結果は、1年以内に明らかになるという。
#
Q:2009年、実験により、ラパマイシン経路を阻害する分子が実験動物の寿命を伸ばすことが分かりました。この研究結果については注目していましたか?
A: はい。2010年のちょうどその頃、私はノバルティスで、新しい適応症を発見するための部門(New I …
- 人気の記事ランキング
-
- This company claims a battery breakthrough. Now they need to prove it. すべてのパラメーターが矛盾——「出来すぎ」全固体電池は本物か?
- OpenAI’s “compromise” with the Pentagon is what Anthropic feared アンソロピック排除の裏で進んだオープンAIの軍事契約、その代償は
- AI is rewiring how the world’s best Go players think 「アルファ碁」から10年、 AIは囲碁から 創造性を奪ったのか
- How uncrewed narco subs could transform the Colombian drug trade 中には誰もいなかった—— コカイン密輸組織が作った 「自律潜水ドローン」の脅威