フラッシュ2023年3月16日
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先進的核融合燃料で核融合反応を実証=核融合研など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]核融合科学研究所(核融合研)と米TAEテクノロジーズ(TAE Technologies)の共同研究チームは、核融合研の大型ヘリカル装置(LHD)において、磁場で閉じ込めたプラズマ中での軽水素(質量数が1の普通の水素)とホウ素11の核融合反応を世界で初めて実証した。軽水素とホウ素11から高エネルギーヘリウムを生成する核融合反応は、放射線である中性子を生成しないため、よりクリーンな核融合炉を将来的に実現できる可能性がある。
核融合研のLHDでは、プラズマを加熱するために、時速1500万キロメートルを超える速さの軽水素をプラズマに入射する装置を独自に開発して来た。さらに、高温プラズマを制御するために、プラズマにホウ素の粉末を振りかける装置を設置している。
研究チームは今回、数値シミュレーションに基づいて、発生するヘリウムの数と磁場の影響によって複雑な動きをするヘリウムの軌道を予測。高エネルギーのヘリウムが飛来する予定のプラズマの表面近くにTAEテクノロジーズが製作した検出器を設置し、ホウ素をふりかけたプラズマに高エネルギー軽水素ビームを入射する実験を実施した。
その結果、予測どおり、軽水素とホウ素11の核融合反応によって生成した高エネルギーヘリウムの検出に成功。これにより、世界で初めて、磁場で閉じ込めたプラズマ中での、軽水素とホウ素11の核融合反応を実証した。
軽水素とホウ素11の核融合反応は、核融合燃料の第1候補である水素同位体燃料と比べて極めて高い温度のプラズマが必要で実現が難しいと考えられている。今回の成果は、先進的核融合燃料を使った核融合炉の実現に向けた第一歩として期待される。研究論文は、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に2023年2月21日付けで掲載された。
(中條)
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