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ブタ腎臓を過冷却で保存、
72時間後の再移植に成功
——臨床標準より回復速く
Sarah Rogers/MIT Technology Review | Getty Images
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Supercooled kidneys have been transplanted into pigs in a “landmark achievement”

ブタ腎臓を過冷却で保存、
72時間後の再移植に成功
——臨床標準より回復速く

摘出された腎臓は、氷上では約24時間しかもたない。テキサスA&M大学の研究チームは、凍結保護剤を使わずにブタの腎臓をマイナス4℃で72時間保存し、再移植に成功した。回復は24時間の氷上保存より速く、ヒトの臓器でも保存時間を延ばせる可能性が出てきた。 by Jessica Hamzelou2026.07.29

この記事の3つのポイント
  1. 圧力制御で氷を形成させずマイナス4℃を実現する過冷却デバイスで、ブタ腎臓を72時間保存し移植に成功した
  2. 現行の氷上保存(24時間)より保存期間が3倍に延び、回復速度も上回るという従来比で大幅な改善が確認された
  3. 凍結保護剤不使用によるFDA承認の迅速化や国際輸送への展開が期待される一方、ヒトへの臨床応用はこれからの段階だ
summarized by Claude 3

臓器移植においては、時間がすべてだ。臓器はドナーの体から慎重に摘出された瞬間から、劣化し始める。外科医には、それをレシピエントに移植するまでわずか数時間しかない。時間をかけすぎると、臓器は使用不能になってしまう。

ほとんどの場合、臓器は移植までの間、約4℃の氷上で保存される。臓器を凍結することはできない。過去の試みでは氷が形成され、さまざまな損傷が引き起こされてきた。

テキサスA&M大学のマシュー・パウエル・パーム助教授らは、別の解決策を提案している。それは、氷を形成させることなく臓器をマイナス4℃まで冷却できるデバイスだ。

ブタの臓器を用いた新たな研究で、パウエル・パーム助教授らのチームは、少なくとも腎臓についてはこのデバイスで過冷却状態のまま数日間保存できることを示した。再加温後、臓器をブタへ移植することに成功しており、氷上で保存した臓器よりも良好な状態を示しているようだ。

米テキサス州に拠点を置く臓器調達機関ライフギフト(LifeGift)の代表兼CEO(最高経営責任者)であるケビン・マイヤーは、「画期的な成果です」と述べる(マイヤーCEOはこの研究には関与していない)。

臓器の冷却

パウエル・パーム助教授は、このアプローチが最終的に臓器不足の危機を緩和する助けになることを期待している。現在、米国だけで10万4000人以上が腎臓移植を待っており、移植を待つ間に毎日17人が死亡していると推定されている。これは部分的にはドナー腎臓の不足によるものだが、利用可能な腎臓の多くがレシピエントに届かないことも原因だ。年によっては、提供された腎臓の約3分の1が廃棄されている。多くの場合、レシピエントに届くころには使用できないほど劣化しているためだ。腎臓は氷上で約24時間保存するか、体内の環境を模倣することを目的としたデバイスに入れて同じく約24時間まで保存できる。マイヤーCEOによれば、それは適切なレシピエントを見つけて臓器を輸送するのに十分な時間とは限らないという。

世界中の科学者たちが、臓器をさらに低い温度まで冷却することでより長期間保存する方法に取り組んできた。臓器を冷却すると代謝が遅くなる。温度が低いほど効果は大きく、保存期間も長くなる。

卵子、精子、胚の凍結保存には以前から成功しているが、大きな臓器を凍結するのははるかに難しい。研究者らはさまざまな温度や凍結保護剤(基本的に不凍液のように機能する化学物質)を検討してきたが、これまでのところ、ヒトの臓器を移植のために凍結することに成功したチームはない。

熱力学者であるパウエル・パーム助教授は、別のアプローチを探求した。 …

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