フラッシュ2023年8月29日
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気候変動/エネルギー
車体や建物への充電を可能にする3Dカーボン材料、東北大ら開発
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学とジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、自動車の車体や建物の構造や外装への充電を可能にする3次元カーボン材料を開発した。自動車の車体や飛行機の翼など、荷重や自重を支えて形状を保つ構造部をエネルギー貯蔵に利用する「構造的エネルギー貯蔵」の実現に向けた一歩となる。
研究グループは、光造形3Dプリンターで使用する光硬化性樹脂に酸化マグネシウムのナノ粒子を混合した複合材料樹脂を作成。この樹脂を調整しながら光造形3Dプリンターを使って、微細で周期的な格子が入り組んだマイクロラティス構造を造形した。完成した構造を保ったまま炭素化し、60℃の塩酸に1日半浸漬して、材料に混合した酸化マグネシウムのナノ粒子を脱離した。その結果、格子構造の孔(100マイクロメートル未満)を維持したまま柱の内部にナノ多孔質を導入した。内部には、酸化マグネシウムのナノ粒子が脱離した跡となるメソ孔(50ナノメートル未満)、マクロ孔(2マイクロメートル未満)、ミクロ孔(1ナノメートル未満)を持つ階層的多孔質カーボンマイクロラティスが確認できたという。
上記4種類の孔は、植物の維管束のように構造全体に広がり、液体電解質を輸送する流路として機能する。現在実用化されている電気化学キャパシターは、ナノ多孔質カーボン中の電解質輸送が遅く、薄膜形状のものしか実現できていないが、今回作成した階層的多孔質カーボンマイクロラティスは、厚さがある立体的な構造でも蓄電機能を発揮できる。キャパシターとして機能するほどの比表面積を持ちながら、構造材料として十分利用できる性質を示しているという。
研究成果は8月2日、スモール(Small)誌にオンライン掲載された。研究グループは今後、多孔構造はそのままに、全体をより大きくしていく必要があるとしており、当面はドローンの機体や携帯端末の筐体に使える大きさを目指して研究を進めるとしている。
(笹田)
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