フラッシュ2024年4月23日
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気候変動/エネルギー
中温で動作する固体酸化物形燃料電池に、東工大が新伝導体
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京工業大学の研究チームは、従来の材料を超える非常に高い酸化物イオン伝導度と高い安定性を示すオキシハライド(酸素およびハロゲンを含む物質)の新物質群を発見した。高い酸化物イオン伝導度を示す温度を従来材料より大幅に低くできるため、 電解質に固体を用いる固体酸化物形燃料電池の動作温度の低温化とコスト削減につながると期待される。
研究チームが今回発見した新しい酸化物イオン伝導体は、燃料電池での実用化の目安とされる酸化物イオン伝導度を、従来の実用材料(644℃)よりも大幅に低い温度(431℃)で示す。さらに、10−4~10−18気圧の酸素分圧範囲で電気伝導度が一定で、発電効率を落とすような電子伝導を示さないうえに、化学的に非常に安定であるという。
同チームは、酸化物イオン伝導度が高い高温条件での結晶構造と、三重蛍石類似層(3つの陽イオン層を含む蛍石類似層)における酸化物イオンの拡散経路を解明。さらに、量子力学に基づいて電子状態を計算する第一原理分子動力学シミュレーションにより、この新材料の酸化物イオン伝導機構を明らかにした。
酸化物イオン伝導体は固体酸化物形燃料電池などへの応用が期待されている。しかし現在用いられている伝導体は動作温度が高く、製造コストや安定性の問題があるため、中温(400~500℃)で高い伝導度と高い安定性を示す酸化物イオン伝導体が求められていた。
研究論文は、米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)の電子版に2024年4月9日付けで掲載された。
(中條)
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